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バークレー白熱教室の第3回「地球温暖化の真実」は必見!!

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昨晩ですが、録画していたNHKの「バークレー白熱教室」の第3回「地球温暖化の真実」を見ました。
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/berkeley/130419.html
これだけ聞くと「またか・・・」と思う内容かもしれませんが、内容はまったく異なります。
一般的に地球温暖化というとゴアさんを中心としたIPCCの側の意見ばかりが述べられます。
しかし、CO2による温暖化に疑問を持つ方が多いのも事実です。
実際に多い温暖化に意義を唱える方の意見には下記のようなものがあります。
・温暖化説自体がCO2排出権取引による利権を狙った陰謀である。
・寒冷化のリスクのほうが大きい
・温暖化していることは認めるがそれがCO2が原因によるものかどうかは疑わしい。
地球の自然な温度変化の一面かもしれない。
こういったことに加え、共和党のように経済成長優先の政党からすると、企業の活動に
制約がかかる方向の話なので、どうしても懐疑論を尊重する姿勢があるとのことでした。
逆にゴアさんの「不都合な真実」ではCO2問題を印象づけるために、明らかに「誇張」と
言わざるを得ない表現も多かったそうです。
そこで、リチャード・ムラー博士は誰の息もかかっていない、完全にゼロベースで
温暖化に関する真相をつきとめようと、温度や海綿上昇に関する、生データを集めるところから
始めました。
その結果、まずは100年ほど前からある温度計の設置場所そのものに疑問が起こったそうです。
100年ほど前は緑に覆われていた観測地点も今となってはアスファルトに覆われたヒート
アイランドのどまんなかのようなところになっていることが多いということでした。
そういったところはすべて省きました。そうやって再計算した結果出てきたのは
驚くべき結果でした。
きちんと条件を揃えてもやはり地球の平均気温は過去50年で、0.64℃上昇。陸域に限っては
温度上昇は0.9℃と、計測の精度をあげてもIPCCの主張する結果とほぼ同じ結果が得られました。
博士がもう一つ強調するのは「海面は年で20cm上昇した。」ということです。これも平均気温の
上昇とともに絶対に確実なことだそうです。
IPCCでは「地球温暖化のほとんどが人間の活動によるものである」
と定義されているそうですが、博士は「ほとんど」というのは一般的に「51%から100%」
のことを言うとのこと。
そこで、温暖化の事実は確認できたのでそこから実際になにが温暖化の原因になっているのかの
原因究明にとりかかりました。温暖化の具合が分かるグラフと、人口増加を始めとするありとあらゆる
指標を比べて見ました。
しかし、どの指標ともグラフは一致することがなかったそうです。そこで、最後に今までもやしてきた
化石燃料から出たCO2の排出量のグラフと重ねてみたそうです。
その結果もまたおどろくべきものでした。
IPCCの「ほとんど」という表現は厳密には間違いだったのです。
正しくは
「地球温暖化の原因の全ては人間の活動によるものである」
ということでした。
政治家でもなく、企業でもなく、純粋な物理学者が出来る限り正確に判断した結果です。
利害が働く人達の間では未だに賛否両論ありますが、少なくともCO2が温暖化に起因している
ことは間違いのない事実だということを私は今まで85%くらいの信用で見ていましたが
この話を聞いてから100%の確信に変わりました。
ここで「温暖化することはなにがわるいのですか?」
という質問がありました。
これに関しても異論はいくらでもあります。
「たくさんの生物が絶滅する」という意見もありますが、私が尊敬する生物学者の長沼先生
ですら「適応できない生物が絶滅するのは当たり前」といったりします。
しかし、逆にムラー教授も紹介するように著名な物理学者の中にも
「温暖化することはCO2が増えるので植物の育成が良くなる。
その結果CO2の貯蔵量は増えるからいいことではないか」という方も
いるそうです。博士は「これはこれでひとつの考え方だ」尊重する。
とおっしゃっていました。こういう多様性を認めることができる方は
本当に尊敬します。
しかし、博士はこうもおっしゃいました。
「ここからは科学ではなく私見であるが・・・。
温暖化が進むということは様々な変化が起こるということは
確実だ。その結果、あらゆる資源等において(水や食料も含む)
地域間格差が大きくなるだろう。その結果起こりうるのは戦争である。
日本が第二次世界大戦に邁進したのはアメリカが石油の経路をストップさせた
ことで戦争しなければ生きていけない状況を作ったからだ」
とのことでした。
ここからは私(松尾)の私見ですが、実際に温暖化が進むと
もともと雨が平均以上に降る地域はより多く降るようになるそうです。
逆に、乾燥地帯は今以上に乾燥するというデータをみたことがあります。
水というのは生きていく上で必須の物質です。実際日本においては台風の
強度が年々増していくことも、気象庁等による「地球シミュレーター」
でのシミュレーション結果からも出てきています。
しかし、博士はこうもいいます。
「中国やインドが猛烈な勢いでCO2排出量を増やしている。
しかし、これを規制することは難しいし、それらの国の排出量が
増えるのは最低限の生活をしている人が、人間がらしい生活レベルに
上がろうとしていることに起因しているからだ。これをやめろという
権利は我々にはない。ということは、現状で先進国である。我々が
できる限りのCO2削減をするしかないのである」
ということでした。どこまでも素晴らしい内容でした。
ムラー博士も講義の中で、その対策として一番優れているのは
太陽光でも風力でもガスコンバインド発電でもなく
「ネガワット」であるということを盛んに言われます。
ネガワットというのは1990年におなじくアメリカの
エイモリ・ロビンス博士が最初に唱えた言葉ですが
要するに節約のことです。しかし、ここでいう節約は我慢の
節約とは異なります。省エネ家電への買い替えや高断熱化
のような快適性を維持した上での節電です。
カリフォルニア大学バークレー校という、世界でも有数の
超エリート校において一番人気の教授がこんなに素晴らしい教育を
しているということは、問題の多いアメリカにおいても未来は少しづつ
いい方向に変わっていくのではないかと思いました。
それと同時にこんな授業が受けられる学生、そしてこんな授業をネットや
テレビで見ることができる今の世の中は素晴らしいと思います

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