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小屋裏冷房と床下エアコン暖房

床下エアコン暖房

床下エアコン暖房の特徴は、床が暖かくなるということ。いくら高断熱高気密住宅を建てても、壁掛けエアコンで暖房しているとどうしても足元は寒さが残りがちです。床下エアコン暖房であれば、LDKはもちろんのこと、洗面脱衣室、トイレまでも、家全体が床下を通じて暖かく保ちやすくなるのが大きな特徴です。ただしその温度は24℃以下なので、床暖房のように床材に制限がなく、無垢のフローリングが普通に使えるということも大きなメリットとしてあげられます。

最初に床下エアコン暖房を始めたのは秋田の西方先生、二番面が私ではなかったかと思います。その後私が書いた建築知識2012年4月号のP75に掲載された記事を見て、真似をする工務店が激増しました。日本全国で真似をされる業者さんが1000社を超える一大ブームを巻き起こしたと思います。但し、床下エアコン暖房は最低でもQ値1.9以下(UA値なら0.57以下)、C値1.0以下くらいの断熱性・気密性が必要なこと、暖房運転の方法まできちんと指導しないとうまくいかないことから、失敗する工務店も同様に続出しました。

家全体を温めて暖房費がいくらで抑えられるかは、断熱性、気密性、日射取得、そして何より難しいのが適切なエアコン能力の選定と運転方法です。そのあたりは当社に一日の長があるので、たくさんの工務店さんからノウハウの教授を求められています。技術的には極めて簡単ですが、暖房費をそれなりに抑えるのが簡単ではないのが床下エアコン暖房です。

床下エアコン暖房を1台だけ採用した場合、仮に1階床温度を24℃にすると、1階室温が22℃、2階は20℃くらいになります。また、大半の住宅が南窓を大きく確保します。そうすると朝の7時から最低でも19時頃までは、晴れている日の日中は暖房オフでも20℃以上に保つことができます。エアコンの温風を嫌う方がいらっしゃいますが、昼間はそもそもついていません。夜は2階で寝るのでそもそも温風を感じる瞬間すらないというのも大きなメリットです。

また、普通のカタログに載っている一般機種を使っているので10年以降経ってからの交換・お手入れも簡単です。床下の汚れを心配される方もいらっしゃいますが、10年程度経った住宅の床下を何軒も確認しましたが、ほぼ新築時のままで何ら問題はありません

高断熱住宅で暖かく住み始めると次に必ず言われ始めるのは「乾燥する」というご意見です。これは最初から家全体で加湿計画を立てていれば問題なく回避することができます。加湿をしっかりできるようになると、肌の状態にいいのはもちろんのこと風邪やインフルエンザ等の感染率も下がります。

 
床下エアコン暖房のメリットまとめ
家全体が床下を通じて暖かく保ちやすくなる
無垢のフローリングが普通に使える
エアコンなのに温風を感じない
一般流通している機種なので交換・お手入れが簡単
 
床下エアコン暖房のデメリットまとめ
断熱性、気密性、日射取得、適切なエアコン能力の選定と運転方法を理解していないと、暖房費が高くなったり温度ムラができたりするなどのトラブルが起こる

小屋裏エアコン冷房

小屋裏エアコンの解説暖房以上に日本の住宅業界が全く出来ていないのが冷房、除湿計画です。床下エアコン暖房とは異なり、2階の各居室の冷房計画まできちんと出来ている会社は1%未満であると思われます。

特にほとんどの人が快適であって欲しいと思うのはLDKと寝室、あと時間は短いですが脱衣室です。寝室というのは夫婦だけのことを考えれば主寝室のみを指しますが、個室を使うようになってからの子ども部屋も立派な寝室です。もちろん各部屋にエアコンをつければ解決するのですが、非常に高くつきますし、高性能住宅においては最小の6帖用エアコンでも高性能住宅では大幅に能力過剰となってしまいます。さらに、外観も配管と室外機だらけになって汚く見えてしまいます。結果として燃費も大幅に悪くなるし、そもそも各居室のエアコン設置は冷風が強すぎて冷房病と不快さの主因となってしまいます。

これを解消するにあたり、「小屋裏エアコン冷房」という手法を採用しています。小屋裏にエアコン1台を設置し、小屋裏を冷やします。その冷気をファンの力を使って各居室に配ります。この時、室温は小屋裏24℃、2階27℃、1階27℃程度となります。 高断熱高気密で日射遮蔽を完璧に設計した状態において小屋裏エアコン冷房すると、8月の間1ヶ月つけっぱなしにしても月の冷房費は4000~5000円に収まるご家庭が大半です。当社の住宅においては「もったいないから」といって冷房を時々オフにして通風とセットにして使う一般的な生活スタイルを取ったほうが、冷房費は逆に高くなってしまいます。寝ているときは遠くの方で微弱にエアコンが回っているだけで、僅かな風がファンで各部屋に配られるに過ぎません。よって室内環境は春や秋のように暑さも涼しさも感じにくい「無感」に近い状態となります。当然ながら冷房病や高湿度だと防ぐのが難しいダニ・カビともほとんど無縁の生活となります。

また、冷房はオフになっているときは中に700gもの水分がたまりっぱなしになっています。これは衛生的にもよろしくありません。当社では50℃以上で加熱除菌できるエアコンを標準採用しているので、月に一度程度1時間程度かけて加熱除菌すれば仮に内部にカビが生えたとしても99%以上退治することができます。これができると、数年に一度の2万円程度かかるプロによる清掃が基本的に不要となります。各部屋に冷房をつけるのに比べると交換費用も1台で済むので非常に安価です。

床下エアコン暖房とは真逆で、小屋裏エアコン冷房は冷房費を安く抑えるのは非常に簡単ですが、技術的には非常に難解です。それには理由があります。2階は1階とは異なり各部屋が個室に分かれています。また寝るときは各部屋ドアを閉めることが大半です。この状況でムラなく効かせるためには見るだけでは分からない地味な設計上の工夫の積み重ねが必要です。それができない工務店が形だけマネをするとかなりの確率で失敗します。

小屋裏エアコン冷房のメリットまとめ
24時間全館冷房をしても冷房費を抑えらる
各部屋にエアコンを設置するよりも、
初期費用も10年後の交換代も抑えられる
カビ・ダニが発生しにくい環境になる
冷風をほとんど感じない
暑さも涼しさも感じにくい「無感」に近い状態になる
室外機や配線で外観を汚さない
小屋裏エアコン冷房のデメリットまとめ
見ためだけでは分からない地味な設計上の工夫の積み重ねができない会社がやると失敗する

 

 

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