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巨匠建築家の省エネや環境に対する発言は聞くにたえないものが多い。

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今日は昼から加西市のF邸の工事請負契約でした。先に現状建物の解体工事に
入っており、それも9割がた終了し、更地となった姿を初めて目の当たりにしました。
これから新しい建物ができていくのが非常に楽しみです。
今日は帰ってきてから日経新聞の夕刊を読んでいて、どうにも納得いかない記事を
読んだのでそれについてのコメントです。
その記事はいわゆる巨匠建築家であるSさんのコメントですが
「欧米では開け閉めもできないほど重い三重ガラスで空気も熱もシャットアウト
しようとする。一方日本では蛾類ガラスで開け閉め自由として自然と触れ合いながら対処する。
それが、軽やかな建築につながる。そんな日本人の感性が海外で求められていると思います。」
とのこと。
この一文には言い切れないほどの反論があります。
まず、開け閉めはできます。問題なく、そして真の省エネ建築においても
この超高性能サッシができたがゆえに、非常にガラス面積が大きく開放感の
ある自然と触れ合う建物が省エネと同時に実現できています。完全に時代錯誤です。
アメリカはよく知りませんが、少なくともEUでは窓の大きさはどんどん大きくなっています。
「そんな日本人の感性」とありますが、断熱性が極めて低い建物を作ることを
ひとまとめにしないでいただきたい。日本を貶められた気がします。
そして、デザイン感覚は求められているのかもしれませんが、明確に数字にて
省エネ規制がしかれようとしているEUにおいて、省エネっぽい非省エネ建築は
決して求められてはいないということ。これもよく分かっておいていただきたい。
そして最後に、こういう文章を、日本でもっとも権威ある日経新聞が記事に
しないで欲しいということです。我々プロならともかく、権威ある新聞が
こういう間違ったことを書くと、これを読んだ一般の読者は無条件にそう
なんだと思い込んでしまいます。これは非常に大きな問題です。
明確な燃費指標がないがためにこんなことを言う人が存在できるわけですが、
こういうことが認められるのであればもはや建築はエンジニアリングでは
ないということになってしまいます。
車においてこういうことが考えられるでしょうか?
例えば車に公的な燃費規制がなかったとしましょう。
フェラーリのデザイナーでもある奥山清行さんが
「空気抵抗が少なそうなデザインにしたから低燃費だと思う」
これと全く変わらない事象です。
こんなこと車だったらど素人でも一瞬で「そんなわけないやろ」
とツッコミを入れるところですが、上記の記事になると
「ふーん。そうなんだー」となってしまわないでしょうか?
私のブログを読んでいるような人はそんなことはないと思いますが、
ごく一般の方であればそうなってしまうと思います。
そして、こういう巨匠建築家が省エネや環境建築関連のコンペの
審査員をしたり、同じくそういう関連の国交省主催の審議会とかに
呼ばれたりして「今後の日本の環境建築の方向」について役人に
語ったりしています。そして、そういうコンペでは真に省エネな
建築よりも省エネっぽくてデザインが新しい建築が好まれます。
車の燃費規制を考える審議会にカーデザイナーの由良拓也氏や
奥山清行さんを呼びますか?
まずこういうところからしておかしいのが日本の建築における
省エネ、環境分野です。

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