西宮でマンションリフォームを専門でやっているマスタープランの小谷さんが近所で
見学会をやっているということで見に行って来ました。予想通りですが、素晴らしい設計
でした。さすがです。
彼はマンションなので内装材くらいでしか使いませんが、国産の木材を中心に使っています。
これが非常に重要なことです。
今日本では杉や檜が植林されてから50年を超えたものが過剰になり、伐採しなければ
密度が高くなりすぎて、駄目になってしまいます。そこで、国や自治体なども様々な補助金等を
投入したり、木造建築を推奨したりしながら、国産木材の利用を促していますが、正直その
改善スピードは芳しくありません。
それだけ、近くに良質の木がたくさんあるにも関わらず、相変わらず外材は大量に輸入されています。
以前よりは減りましたが南洋材と呼ばれる東南アジア方面の材木においては日本が世界の輸入量の
半分以上を占め、現地の山をハゲ山にしているという話もよく聞きました。現地の人が日本に来ると
驚いていたそうです。「自国にこんなにも木があるのになんで我々の国をハゲ山にする必要があるのか」と。
当然、遠方の木を運んでくるには輸送エネルギーも大量に必要です。また、国産材を使わないことで
山が駄目になると、数年前の佐用の洪水のように、治水効果も失われます。典型的な悪循環と
なります。
これを解消するには一人でも多くの建築業者が国産材を利用することです。
効果が大きいことをあげると
・木造でできる建物は木造で設計する。
・木造でも構造材に外材を使っているなら国産材に変える。
・構造用合板は国産材を指定する。(価格は住宅1軒で5万ほどしか変わらない)
・集成材を利用するときは国産材を使った集成材を指定する(ハイブリッドビーム等)
が使用量が多いので特に有効です。
最近設計事務所でも、工務店でもエコを謳う会社は多いですが、
国産木材を使わずしてエコもへったくれもないと思います。
もしくは一番最悪なのがエネルギーを大量に消費する鉄骨造にしておきながら
「木を5本植えるからエコ」のようなごまかしをやっている業者です。
国産木材を構造材で使えば100本くらいの木はすぐに使えます。
フローリング等の内装材で使うのも使わないよりはるかにいいことですが、
構造に比べると量が少ないですし、施主様の好みもあるので一概に強制
できない部分もあります。
そう考えると、上記の対策は社長がやる気になりさえすればいつでもできることです。
ブログを読まれて「ギクッ」ときた同業者の皆さん。改善していきましょう!