1. HOME
  2. ブログ
  3. 耐震等級と地震保険

耐震等級と地震保険

Facebook にシェア
Pocket

1月6日
耐震等級と地震保険のことを書いたら「地震保険では耐震等級3では逃れられない地震による建物火災や津波、液状化現象」がカバーできると教えてくださった方がいました。確かにそれは地震保険の大きなメリットであると思います。
ただ、津波は土地選定時に回避できます。液状化に関しても今は液状化ハザードマップ等でかなり調べることができます。唯一逃れにくいのが地震後の広範囲火災だと思います。
これに関しては完全ではないですが、有効だと思っている対策があります。「新築住宅が多いエリアに建てること。」中でも「建ぺい率が小さいエリアに建てること」です。
新築住宅は乾式のサイディングが使わている事が多く、省令準耐火構造になっていることが多いです。その上建ぺい率が小さいエリアであれば、街全体が延焼するということは普通に考えると非常に考えにくいです。

このようなことばっかり考えてると「どんだけ悲観論者やねん!?」という声が聞こえてきそうですが、住宅購入に関してはそれぐらいでちょうどいいと思っています。
作家の橘玲氏が著書の中でよく書いておられますが
「住宅をローンで購入するのはフルレバレッジの信用取引で一点買いするのに等しい」
ということを、住宅購入者も住宅実務者ももういちどよくとらえておく必要があると思います。
投資をやったことがない人にはこの言葉の意味がよくわからないと思うので、もう少し簡単に説明します。
皆さんはじめての株式投資で仮に100万円投資する投資先を決めるとしたらどれだけ調べるでしょう?そして購入後もその時価がどう変動するかを一喜一憂しながら見守ることになることが想像出来ると思います。投資の世界ではよく
・分散投資しましょう
・余裕資金の中で投資しましょう
と言われます。しかし株式投資の世界では手持ち資金の3倍といった金額を借りて投資を行う信用取引という制度が存在します。これは儲かったときの利益が大きい反面、下がったときの損失は元本を上回ることさえありうるというハイリスク・ハイリターンな投資方法です。上級者向けの投資方法ですが、これをひとつの銘柄で行う方はまずいないと思います。やるならある程度分散した上で行うのが一般的です。
ところが大半の住宅購入者は年収の3倍から5倍程度のローンを住宅という銘柄一点に絞って購入するわけです。
ここまでのリスクを取るわけですから、30年で70%以上起こると言われているような「万が一」どころか「十に七」のリスクさえ想定せずに購入するなどということは「暴挙」以外のなにものでもないのです。
信用取引を開始するためには株式投資の経験が問われますし、リスクに対する説明も十分になされます。しかし住宅ローンに関しては誰もそういうことを説明することはありません。私が国土交通大臣であれば、何も考えずに購入した人も不要なリスクをしょわなくていいように、また貴重な資源が無駄にならなくてもいいように耐震等級3は即義務化します。
しかし、国民のことよりも業者のことを優先する我が国においてはそんなことがなされる気配は全くありません。この国で自分の財産を守るにはやはり自分で勉強するしか無いということかと思います。
もうひとつ付け加えると、地震保険でお金が下りるとしても、大震災後は普通1年位は職人さんがひっぱりだこになり、補修のためのリフォームにまわってくるということはまずありえないということを震災を経験したエリアの人はよく知っています。

関連記事

著書紹介

過去の記事