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「中国人は健康について無知」と言っている日本より上回ることもある

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毎週欠かさず見ている「未来世紀ジパング」で世界のダイエット事情を特集していました。
その中で体組成計で有名なタニタがこれから中国で体組成計を拡販していこうと
しているところを特集していました。
日本人にとってh「体脂肪率」という言葉は小学生でも知っているのではないかと
言うほど一般化しています。しかしながら、中国人の間ではそのような言葉すら
まだ普及していないと・・・・。体重計といえばバネがついている本当に体重を測る
だけのもののようです。
まずは「体脂肪率の重要性を教えるところからはじめなければならない。ゼロからのスタート」
と言っていましたが、かつて同様の方法で成功したのが化粧品業界だそうです。
数十年前の中国では女性が顔を洗う(クレンジング)という習慣すらなかったそうです。
そこから教育し、いまでは数超円産業になったとのこと。
それを見ていた解説者、コメンテーターが笑いながら「本当にこれからですね」
と若干上から目線でトークしていました。
しかし、日本人が全ての面において健康面で中国より
優れているかというとそうでもないこともあるのです。
また、日本は医療も、食事も、肥満率も非常に優れていますが
国際的にみて駄目な点もあります。
その筆頭が、冬の住宅室内の室温の低さです。
もう何度書いたか分からないくらい書いてきましたが、
室温が20℃を下回る生活をしていると、心疾患や、脳血管疾患といった
生死や後遺症に関わるような大病はもちろんのこと、アトピーや喘息
その他ほとんどの疾患にたいして室温が下がるほど悪い結果がでることが
分かっています。
これは日本に限らず、世界中の調査を行った国全てにおいてあてはまる話です。
欧米は全館暖房が当たり前ですし、中国、韓国も家の中は暖かく保たれている
家庭が多いので、世界的に見ても日本の冬の室温の低さは例外的な存在です。
そんな、寒さの最も大きな原因を作っているのは窓ですが、
中国の窓の熱貫流率には最低基準があり、東京、大阪と同じような温度の地域なら
その値は2.5以下となっています。
日本には最低基準すらなく、新築の一番売れ筋は4.65というお粗末さです。
こんな窓が一番売れ筋の国は発展途上
国か赤道に近い亜熱帯、熱帯の国くらいだと思います。
さらに今日の夕刊を見ていると「ビッグデータで予防医療」というのが一面のトップ記事でしたが
2014年から総務省と厚生労働省がシステムを作り、数百万人の健康診断や日々の運動などを
まとめて統計処理し、生活習慣と病気の関係を予測して一人ひとりに適切な健康指導をすると
書かれていました。
これがまとまるのは2017年より先、その先になんらかの施策が実施されるとなると2020年
以降になるでしょう。やるのはいいことだと思いますが、そんなことをする前に
すでにイギリスではHHSRSという制度で50万件もの室温と疾病の相関関係が明らかになっています。
それが分かっているからイギリスでは断熱性が最低ランクになっている建物には改善命令が出ます。
断熱改修に多少の費用がかかっても、脳梗塞や、心筋梗塞で保険料を払い続けるよりはるかに
素晴らしい予防策です。しかも、その結果国外に流出する石油、ガス代は少なくなり、エネルギー
安全保障の観点からも優れている。今や難しくなった国内の雇用も増やすことができます。
まさに一石五鳥くらいの考え方です。
それが分かっているから似たような政策はイギリスだけでなくヨーロッパのたくさんの国で
実施されています。
日本もオリンピックよりも、ビッグデータで予防医療よりも圧倒的に先にやったほうがいいのに
それをやろうとしない。あまりにももったいなくて、非合理的でとても黙ってはいられない。
だから、講演や執筆活動をやっているわけですが、先週の日経新聞の記事にYKKAPの社長さんが
「日本の窓は遅れている」と書いていらっしゃいました。これはものすごく報われた気がする
記事でした。私の活動の結果などと言う気はさらさらないですが、ここ2年ほど繰り返し繰り返し
窓の性能向上を謳ってきた立場からすると本当に嬉しい記事ではありました。
日本の健康面における最後の牙城は室内の温度環境、湿度環境であり、この二つが改善できれば、
心疾患、脳血管疾患、アトピー、喘息、呼吸器疾患といった多くの人が苦しめられている病気
のかなりの部分が劇的に改善されると思っています。
番組を見ながらコメンテーターの方々に「この分野が改善されないかぎり、日本は中国の
ことを笑っている場合ではないんですよ」と教えてあげたくなった次第です。

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