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上海ツアー報告(2)

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今日は設計事務所編といきたいと思います。
そもそも中国に日本の若手建築家が進出して大活躍していることを
世に知らしめたのは情熱大陸に出られた迫慶一郎さんです。
もちろんそれより前から、安藤忠雄さんを始めとする巨匠建築家は
海外のあらゆるところに進出していましたが、若手建築家が進出して
大規模プロジェクトを受注している実態は業界でもそれほど知られていなかった
ように思います。
私は今現在37歳になったばかりですが、今回の視察ツアーで
38歳の東さん(HMA)35歳の五十嵐さん(スタジオアット)さんと
特によく話をしました。
私とほぼ同世代ですが、東さんにいたっては既に所員数50名にも
なり、2万平米以上のプロジェクトが10以上も同時に進行している
という状態でした。
私は以前兵庫県では最大の設計事務所に努めていましたが、それでも
ほとんどが2000㎡から10000㎡であったように思います。
日本で2万㎡以上の物件となると設計事務所であれば、超大手
ゼネコンであれば大手でないともはや取ることはできないと思います。
それをたった38歳にしてこの状況!今の中国の勢いを感じさせられます。
おそらく30年前の日本がこんな感じだったのではないかと思います。
しかし、時代背景が仮に30年前の日本と同様であったとしても
そもそも人口が10倍違います。そう考えると、今の日本の100倍くらい
建設ラッシュであるといっても過言ではないのかと思います。
しかしながら、上海は既に大規模建築は飽和状態に近づいているようです。
とはいえ、内陸部ではこれから開発が進む町もたくさんあるようです。
大きい建物に魅せられた建築家は、時代の流れと共に勢いのある土地に
移っていかなければ仕事を続けることができません。これは彼らが負った
運命みたいなものです。
彼らと話をすると、内陸部はもちろんのことすでに、ベトナムのようにこれから
経済が発展する地域に注目を注いでいるようです。
しかし、東さんの建築ではなくビジネスとしてのプレゼンを見せて頂きましたが
さすがでした・・・。東さんは大規模商業建築では超有名どころであるプランテック
の出です。プランテックの大江さんといえば、数ある建築家の中でもビジネスに強い
建築家として有名です。さすがにそのお弟子さんだけあって、プレゼンも一般的な
建築家のプレゼントは大分異なるものでした。
大企業に務める方であれば、日経新聞を読み、ビジネス書を読み漁るのは
当たり前かと思います。しかし、設計事務所に務める人でその習慣が
ある人は少ないと思います。
プレゼンの最中にSWOT分析がすらすら出てくるのを見ると、
やっぱりプランテックの出の方なんだと実感させられました。
しかし・・・。迫さんも凄いですが、単身で外国に乗り込み、技術を磨き
会社を立ち上げ大きな仕事を成し遂げる・・・。そのバイタリティーが並大抵
のものではないことは同業の人間として痛いほど分かります。
はっきりいって一人一人が「情熱大陸」です。
これは会って話せば分かります。35歳の五十嵐さんでも日本の一般的な
35歳の方が持つオーラとは違うレベルのものを持っています。
私も負けてはいられません。非常にいい刺激を頂いたように思います。

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