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日本、ドイツ、スイスの省エネ基準を比較してみた⑤

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最低限の健康と快適性を設計者が担保する
義務基準を厳しくすることが現実であるのは仕方がない。
しかし建築実務者は一軒一軒のお客様の「健康」「快適性」に大きな責任をもっているのはもちろんだが、その建物が存在する限り「CO2排出量」「エネルギー輸入量」にも大きな影響を与えている。
一軒の住宅が排出する一次エネルギーは平均75GJと言われるが、自動車は概算で平均22GJ程度である。しかも平均利用年数は11年なのでしょっちゅう買い替えする上、買い換える毎に低燃費化していく。お施主様の「健康」「快適」はもちろんだが、「自分が携わっている住宅の件数分だけ大量のエネルギー消費量を左右する存在にある」ことを自覚し設計をする必要があると思う。
ドイツでは全分野でエネルギー使用量をいついつまでに何%減らすということを最初に決定している。そこから逆算した場合に、現時点で各分野が何%減らさなければならないのかが、決められている。経営目標もこのように決められると思うが、そのように決めてもそのとおりに行く可能性が低いのは周知のとおりである。逆に行き当たりばったりでやって、たまたま目標に達することなどないのは明らかだ。しかしながら、今の日本の基準は現状の建材、施工の水準や業界団体からの要望等をベースに決まっている。そうである以上、一人ひとりの実務者が責任を持つ姿勢が、非常に重要になってくると思われる。
もちろん省エネであるということは、ランニングコストが少ないということとイコールだ。この記事で紹介したような住宅を建てると大半の人が非常に安い光熱費で暖かく健康に過ごすことができる。仮に節約派で暖房を全く使わない人でも、最低室温が15℃を下回る箇所がないようにすることもできる。
要約するとどんな生活パターンの人にも、最低限の健康と快適性を設計者が担保することができるようになるのである。
2015年 07月30日
Facebookより

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