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ちょっとした住宅・ビルの省エネ化だけで原発7基分削減可能!

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2009年に行われた総合資源エネルギー調査会の試算に
「2030主要施策のCO2削減効果」
というものがあります。
これにはいろんな項目があるのですが、効果が高いものから順に(左削減効果、右費用)
住宅・ビルの省エネ化 3800万トン 8兆円
次世代自動車燃費向上 2100万トン 12兆円
省エネ家電      1700万トン 7兆円
IT機器の省エネ    1500万トン 4兆円
高効率給湯器      900万トン 5兆円
製鉄革新技術      500万トン 1兆円
化学工業革新技術    400万トン 1兆円
原子力新増設9基   5000万トン 5兆円以上
とあります。
CO2削減というと、自動車や電化製品などのハイテクばかりに目が
行きがちですが、実際には建築部門の省エネ化が圧倒的に削減効果が
高く、かつ圧倒的に対策費用も安いのが見て分かると思います。
ここでさらに注意が必要です。
一般に、住宅、ビルの省エネ化というと高効率エアコンや、LED照明灯が
真っ先に浮かぶと思います。
しかし、この試算で考えられているのは
「新築の8~9割が次世代省エネ基準程度を満たす」というのが条件となっています。
ご承知のように次世代省エネ基準とは平成11年基準であり今となっては前世代省エネ
基準です。そしてこのレベルでは駄目だといつも言っている基準です。
ちなみに2012年現在新築においてはビル等で90%、住宅で55%程度は
すでに達成していると言われています。
そう考えると、2030年に8~9割などすでに実現できたも同然です。
EUではこの次世代基準より3倍ほど厳しい基準が2015年に義務化されます。
しかも、既存建築物も20年から30年かけてすべて省エネ改修していく予定です。
日本では現在新築着工戸数が70~80万戸、既存住宅が5700万と言われています。
この新築分の8~9割だけの改善でも上記の試算からすると原発7基分に相当するわけです。
今現在日本の原発は54基、同時に動いているのは35基くらいのことが多いので
35÷7=5倍
すなわち、80万戸×5倍=400万戸くらいの住宅の省エネ改修をやれば
全原発分のCO2削減分に相当することになります。
CO2削減と必要電力量は異なります。しかし、先日ご紹介したように
全ての建築物の省エネ改修をやれば、原発を利用せずにCO2削減、
及び、雇用の増大、及びエネルギーの安全保障、貧しい日本の住宅
の住環境の改善、それによる健康状態の改善、ヒートショックによる
死亡者の削減等がすべて同時に実現できることは分かります。
これほど明快なのにこの国の政治家及び、官僚の方は取り組もうとしません。
先日友人が政治家や官僚の方にアドバイスをするような人から
「この事実は官僚の方すらほとんど知らない」
と言っているのを聴いたそうです。
あれだけの高学歴な人たちがあれだけ人数が集まって、しかもドイツに
その前例までありながらなぜ気づかないのか?ダークエネルギーの正体が
わからないのと同レベルの謎です。
なお、原発比率を決定するのに重要な時期です。少しでも多くの方に
知っていただきたいことなので拡散希望です!
ご協力よろしくお願いします。

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