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東京プランニングセミナーが終了しました!!

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東京プランニングセミナーが終了しました!!
昨日は事実上初めてでしたが、丸一日、今日は9時から1時間と1日ちょっとかけて
プランニングセミナーをさせていただきました。
全国から高断熱住宅の猛者たちが20人ほど集まり、少数精鋭での開催でした。
人数こそ少ないですが、松山の高岡さん、茨城の島田さんをはじめとする。かなり濃い
メンバーばかりでした。
まずは最初にパッシブデザイン(夏の日は遮り、冬の日射を取り入れる)ための
具体的な手法を1時間半ほどかけて、スケッチを書きながら説明しました。
その後1.5時間ほどかけて各社が事前提出してくださったプランニングの講評を
させていただきました。
次に松尾設計室の実際の設計事例を3例ほど図面と写真の両方を交えながら
見ていただきました。
最後は実際に松尾設計室で契約したお客様の敷地と要望を与えた上で
駐車場、庭、1階の各部屋のゾーニングまでを考えるプランニングを2時間
近くかけて考えてもらいました。
ということで、10時からはじめて、17時に終了しましたが、昼休み1時間をのけても
6時間にもわたる講習となりました。
さらに今朝は私が見てよく出来ていた2名の方のプランニングの紹介と
実際に私が考えたプランをどのような思考過程で考えたのか?
最後は実際に出来上がったプランを見てもらうということで、終了しました。
私がいつも、プランニングの話や竣工写真を講演会であまり入れていないのには
理由があります。断熱や省エネ理論はすぐに覚えられますし、やる気さえあれば
次の日からでも実践できます。ところが、プランニング技術は聞いただけでは
全くもってできるようにはなりません。
泳ぎ方を聞いただけでは泳げないのと全く同じ理屈です。皆さんに講演できる
時間は限られているので、より時間対効果が高い内容を優先すると、実物件を
紹介している余地が残らないというのが事実です。
しかしながら、今回くらいの時間があれば、ひととおり上述の流れを説明することができます。
しかしながら、やはり一プランを2時間程度考えたくらいで上手にプランができるようには
なりません。もっともっと何十回も練習する必要があります。
実際、今回皆さんがプランを考えていく過程をぐるぐる巡回しながら見て回ったのですが
これがものすごく参考になりました。
私が「最初は絶対にマス目で考えないで下さい。車庫はここでリビングはここ、庭はここ
玄関はここというのを鉛筆で◯をたくさん書いて、その相対的な位置関係とだいたいの
位置だけを考えて下さい。そのレベルで構わないので最低3つ以上考えて下さい」
と説明しました。
ところがほぼ全員が、車庫の配置は1パターン、軸線の方向も最初から確定
した状態でマス目をベースにした詳細なプランニングに走り始めるのでした。そして
基本は絶対に崩さずにそのプランをいかに小規模変更するかという小手先の変更で
修正しようとし続けているのでした。この傾向は普段設計をやっている方ほど強く見受けられました。
このやりかたをやっていると、理想的なプランをみすみす失うようなものです。
そこで助け舟を入れました。今回の課題は車2台でしたが、車の配置の仕方は
おおまかにわけて7通りありました。そして軸線をどこに沿わせるかは大きくわけて
3通り考えられる敷地でした。
ということはそれだけで7×3の21通りの入口が存在するわけです。
まずはこの21通りの中から3つ選んで、そこからさらに深く検討してもらうように
しました。
私が一級建築士の受験をしていた頃はこのやりかたが出来る人でなければ
短期間に製図試験にパスすることは不可能でした。最初のとっかかりがまずい
プランニングからスタートすると複雑に絡み合う諸条件を小手先の変更で対応する
やりかたでは絶対に諸条件をまとめることが不可能だったからです。
私は一級建築士の製図試験を若いころに必死で訓練したおかげで、40を間近に
控えた今でも、かなり頭を柔らかく多角的にプランニングをスタートする癖が
ついています。
今後は要望があれば、この手のプランニング講習もいろんなところでできればと考えています。
私のあとは岩手の「すまい環境プランニング」の古川さんによる施工研修が始まっています。
これも東北の地で相当件数結露や断熱に関する施工ミスを見続けてきた古川さんならではの
非常に深い内容の研修でした。
ということで、非常に充実した2日間だったと思います。
このような機会を与えて下さった主催者であるグリーンブリッジの荒木さんを始め
参加してくださった皆さんに感謝したいと思います。

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