YKKAPの品川ショールームが凄すぎる!!
6月2日にリニューアルオープンするYKKAPの品川ショールームを特別に見学させていただきました。今までいろんなショールームを見てきましたが、正直今回が一番度肝を抜かれました。年中マイナス5℃を保った広大な人口空間の中に5畳程度の断熱性が異なる5つの部屋が設置されています。昭和55年レベル、次世代省エネレベル、HEAT20のG1グレード、G2グレード、そしてパッシブハウスレベルの5段階です。
各部屋にはそれぞれ広角のサーモグラフィーと40インチオーバーのタッチパネル対応の大画面が設置されており、自分のいる部屋と他の4室のうち、自分が比較したいもう一室のリアルタイムサーモグラフィーも横同士に並べて比較することまでできます。
おそらく世界中どこを探してもここまでのリアルシミュレーターはないとおもいます。すでに岩前先生、前先生なども見られているそうですが、特に前先生におかれましては、東大から近いことも有り、学生さんの研究対象としても素晴らしい教材になると思います。
また、シミュレーションだけではわからなかった実際の違いを体験できるというのはやはり非常に大きいです。「理屈は分からんが感覚で勝負」みたいな工務店さんを説得するにはこれほどわかりやすい施設はないと思います。これを読まれた実務者はぜひ一度足を運んでいただきたいと思います。
あと2つ見どころがありました。ひとつは「マドリモ」というリフォーム対応窓。今までリフォーム対応窓といえばインナーサッシというのが定番でした。しかしながら、窓の二重開閉が面倒、外側窓の内側の結露の解消にはならない。外側窓の痛みによる開閉の悪さ等の問題が残っていることも事実でした。それを解消するのが今回のマドリモです。
商品名は知っていたのですが、実物を見るまでは正直あまり期待していませんでした。しかし実物を見て「これからの窓リフォームはこれだな!」と確信しました。その理由は次のとおりです。
・既存窓の障子(可動部分)だけ撤去したら既存枠を残したままその内側に設置することができる。よって外壁、防水層を壊さなくても構わない。さらに接合部の見た目、防水のためのアタッチメントが外用、中用共に用意されている。
・足場を組まなくても内側から施工できる。これによるコストメリットは計り知れない
・一回で開閉、結露問題も解消
・従来だとこういった商品はせいぜい樹脂アルミレベルで商品化されていたと思います。
しかし、今回はAPW330,430という高性能窓を転用する形で商品化されています。このあたりも、本質をついていると思いました。
これから、新築は確実に減っていきます。そして団塊の世代が後期高齢者に突入していきます。彼らのほとんどが、低断熱もしくは無断熱住宅のような住宅に住んでいます。これからこの窓のような商品が年に100万戸以上のペースで採用される必要があると思います。
読まれた実務者の皆さんが今後リフォームを手掛ける場合は、いまのところベストな選択肢であると思います。
最後に玄関ドア、D50(U値1.55)とD70(U値0.93)の実物を見ました。窓の性能改善は数年前から着々と進んできていましたが、家の顔である玄関だけは遅れたままでした。そこで、仕方なく海外製の玄関ドアを使うこともよくありましたが、ようやく安心して使えるレベルの国産玄関ドアが発売されたという感じがしました。D70は本当の木が使われており、質感は極めて高いのですが、その分価格もかなり高い・・・こちらは標準的に使うことは難しそうです。反面D50は見た目的にも従来のヴェナートに近く、金額も許容できる範囲ですから、これからこれがメインになっていくのではないかと思います。窓がAPWの会社さんなら玄関ドアはD50あたりが釣り合いが取れているというかバランスが良いと思います。
ということで、オープン後は見に行かないわけにはいかない懇親の力が入ったショールームだと思いました。お世辞抜きで今まで見たすべての建材のショールームの中で一番衝撃を受けたショールームでした。