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風力発電の第一人者である安田先生にお会いしました!

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風力発電の第一人者である安田先生にお会いしました!
以前、安田先生の著作である
「日本の知らない風力発電の実力」
をブログで紹介しました。
http://matsuosekkei.blog85.fc2.com/blog-entry-2699.html
その安田先生が宝塚で講演されるということだったので
今日伺ってきました。
本の内容も素晴らしいのですが、講演も本当に面白く、ぐいぐい引き込まれました。
私も講演する人間なのでよく分かるのですが、専門分野が詳しいのは当たり前と
して「どうやったら人が興味を持って聞いてくれるのか」ということも相当勉強し
かつ実践し続けてきた人にしかできない講演をされていました。
今日の講演内容で特に興味深かったことをまとめました
( )内は私による補足です。
・現在世界中の風車が発電する電気は世界中の原発が発電する電気の4分の1まで来ている。
ちなみに日本は72分の1であり世界の風力比率の1/18でしかない・・・
(原発は新設が少なく、風力は爆発的に伸びているのでこの差は近い将来逆転すると思われる)
・世界合計での発電量は風力5対太陽光1
に対して
(日本合計では2012年度で風力2対太陽光3だった。今はもっと太陽光が増えていると思われる
陸上風力発電の単価は太陽光発電の約半分なので算数ができる国では当然風力発電の比率が
高くなっている・・・)
・ヨーロッパでは2014年の発電実績で風力発電が原発41基分を発電した。これに対して日本の
風力発電は1基分にも満たない。
(東日本大震災以前の日本では同時に動いている原発は約35基でした。)
最後の質問時間に
「再生可能エネルギーが増えると賦課金で電気代が高くなって日本が貧しくなるのではないでしょうか」
と質問された方がいました。
日本のメディアにおいてもほとんどがこの論調のように見受けられますが、次のように単純化して考えれば
よくわかると思います。
「今から40年間、電気代として月に1万円づつ払い続けることと、最初の10年間月に1万5千円ローンをはらって
太陽光発電もしくは風力発電を購入し、10年でチャラになる。そこから先は機械が壊れるまでずっと電気代が
無料になる。前者は1万円×12ヶ月×40年=480万円、後者は1.5万円×12ヶ月×10年=180万円
になります」
実際にはこんなに単純な計算ではないです。しかし、おおまかにいうとこういう感じです。自然エネルギーを導入
しなければ、石炭代、ガス代、石油代という形でずっと海外にお金を払い続けなければなりません。しかし、自然
エネルギーを導入すれば、最初こそ生みの苦しみがありますが、ペイしたあとはきっちり便益が帰ってくるのです。
それがわかっているからこそ諸外国は自然エネルギー、その中でも現在最もコストが安い陸上風力から順に
導入されているだけのはなしです。CO2問題のような高尚な問題から入っているというわけではないのかもしれません。
今日の先生の話の中で一番おもしろかった一言
「科学の世界では10年前のことを話する人のことを考古学者といいます」
でも風力発電や、自然エネルギーに関しては日本のエネルギー関連の方々、メディアの方々の大半が
10年前のヨーロッパのことを今のように語っているように思います。日本のメディアは既得権益側の
圧力に屈してわざと古い情報ばかり流しているのか?それとも本当に知らないだけなのか?
改めてそこが気にかかった次第です。
最後に、先生にはいろいろ質問させていただき、また先生自身ヨーロッパにしょっちゅう行かれている
ようなのでパッシブハウスにも非常に興味をお持ちでした。またひとつ良い出会いに感謝したいと思います。

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