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耐震等級3について

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4月18日
百歩譲って、耐震等級3でなくても構わないのは余裕資金で投資目的の賃貸物件を建てるひとくらいだと思う。。。
本当は東南海地震、首都圏直下型地震ともに30年以内の発生確率が70~80%。さらに震度7の地震が来ても資産価値がほぼ確実に残るのは耐震等級3だけということを考えると耐震等級3を義務化すべきだと心底思っています。
しかし、、、
いつも下記の資料を基に講演でよく説明するのですが、震度7が来ると、耐震等級2でも6%が確実に資産価値を失い、32.6%のうちの何割かがかなりの確率で資産価値を失います。
そうなると既存住宅のローンが残った状態でさらにもう一軒ローンを組んで家を建てるか、新たな賃貸を借りる必要にせまられます。これは経済的に破綻に近い状況であると言って間違いないと思います。
地震保険に入るというリスクヘッジも考えられます。しかし、地震保険の保険料は30年で(今は30年一括はできなくなってます。)安い地域で50万、高い地域だと170万くらいかかります。これだけあれば耐震等級3に十分可能です。またそもそも30年で住み終わらない方のほうが多いのでもっとかかります。さらにいうと仮に地震保険で保険金が出ても大震災後は保険料で修理しようと思ってもおそらく2年くらいは業者がつかまりません。。。
耐震等級3で建てないということに一番近い状況は任意保険なしで自動車を運転するとい状況です。人にもよると思いますが、皆さん年に最低でも5万~25万は保険料を支払って乗っていると思います。人を殺したり重症に合わせたりする可能性は極めて低いですが、それでもそうなったときの損失は億を超えること可能性が高いです。それが分かるから8割くらいの方は任意保険に入られています。
リスクを考える上で期待値という考え方があります。
「その事象が起こる確率×起こった時に発生する金額」で計算します。
例えばですが、30年以内に大地震で住宅の資産価値がなくなることの期待値は倒壊する確率を10%とすると
80%×10%×ー2000万円=-160万円です。
30年で大事故を起こす確率は1年だと1/20000くらいのようです。30年かけて3/2000くらいです。人を殺してしまった場合の賠償額を3億円とします。
3/2000×-3億円=-45万円です。
どう考えても上記の期待値のほうがはるかに悪い結果となります。しかし、自動車のリスクヘッジのほうがはるかに高い確率で行われています。
ほとんどの人は確率統計をきちんと勉強したことがないから期待値を見誤っています。その結果経済的合理性のない選択をしています。宝くじが良い例です。
当たる期待値
1億円×1/1000万=10円
外れる期待値(1枚購入の場合)
-200円×99.9999%≒-200円
よって期待値で考えると20倍も損することが確実なわけで金融の世界では宝くじのことを
「愚か者に課せられた税金」というらしいです。
よって、耐震等級3は論理的に考えると入らないことはありえません。
百歩譲ってやらなくてもよいかなあと思えるのは余裕資金で投資物件を建てる人くらいかと思います。資産価値がなくなっても経済的に大打撃を受けるほどでもないだろうからという意味で。。。

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