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毎年恒例「建築技術1月号省エネ特集号」が届きました。

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毎年恒例「建築技術1月号省エネ特集号」が届きました。
建築技術・・・。
紀伊國屋にもジュンク堂にも売っていないという超レアな建築専門誌です。
わたしも普段は買いませんが、毎年1月号だけは南雄三さんがメインで
原稿を書いている省エネ特集号なので絶対に買います。
2014年は「改正省エネ基準を楽しく理解しよう」です。
正直、今の日本の基準などどうでもよいのです。
今の日本の基準を守ったくらいでは
「健康で快適な省エネ住宅を経済的に実現する」
という松尾設計室の目標を達成することは到底できないからです。
この基準を知っておくべき理由は、補助金が出た時にもらうため、
長期優良住宅等の認定をもらうためくらいしかないというのが本音です。
単なる基準の解説書なら買わないのですが、南雄三さんが、実際に基準を作られた
方、熱環境の教授の方々にインタビューしており、それが読みたいから買うわけです。
読んでいて強く思ったことがあります。
近畿大学の岩前先生と東京大学の前先生の記事は
「1棟1棟の方の住宅を良くしよう」
「総合的にエネルギーを減らそう」
「本質的に正しいことをしよう」
という潜在的な意識を強く感じることができます。
ところが、何名かの方はいくら内容を読み返しても
何が言いたいのかさっぱりわからない?
どこに理念があるのか?という部分が結構ありました。
例えば今の省エネ基準では
いるときいる部屋だけ暖房する
部分間欠暖房をする住宅の基準は厳しい。
逆に全館暖房をする場合の基準は緩い。
補助金をもらったり認定を受けたりする際、最後の切り札と
して使用エネルギーが増えるのを承知した上で全館暖房に切り替えて
補助金をもらった工務店がゴロゴロいました。
普通であれば、どんな生活スタイルを選択するかは別として
面積あたり、もしくは一棟あたりいくらという形で暖房エネルギーは
基準が設けられて当然だと思います。
しかしながら、今の日本の基準では
「長時間暖房したい人がしんどいことになるでしょう」
という考えで基準が作られています。
わたしは常日頃から「長時間温かい家にしましょう」
と言っているので矛盾を感じた方がおられると思います。
それは家の断熱性をあげたりすることでほとんど暖房エネルギーを
使わなくても勝手に長時間温かい状態を保てる住宅にするという前提での
話です。こうすれば、断熱性が悪い家で部分間欠暖房で寒さを我慢しながら
暮らしている住宅よりも省エネかつ快適に生活できるわけです。
これが誰もが明快に分かる「基準」のあるべき姿では無いかと思います。
なんだか、今の日本の基準の発想を見ていると
選挙の一票の価値が5倍近くに放置されていても「問題ない」と
言い張っているのとほとんど同じ理屈に見えてしまいます。
また、この他にも読めば読むほど現場で実際にお客様と対峙し、
実際に確認検査機関に書類を提出している実務者の実態とかけ離れている
ことを痛感に感じます。基準を作る際に現場の声が取り入れられず
「会議室」のような密室状態で基準が作られていることが原因かと思います。
読み終わると「踊る大捜査線」が頭に浮かびました。
我々現場の人間は青島刑事のようなもの。
岩前先生や前先生が室井さんのように感じてなりませんでした。
おそらく会議室には会議室の正義があるのでしょう。しかし、わたしの
単純な頭ではそのあたりの理屈を理解することがどうしてもできません・・・・。

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