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兵庫県で住宅を中心に設計を行う設計事務所はどのくらいあるのか?

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兵庫県で住宅を中心に設計を行う設計事務所はどのくらいあるのか?

松尾設計室は1986年に前社長だった父が設立した設計事務所です。そのときは住宅を中心としていたわけではなく、多くの兵庫県内の設計事務所同様一般建築物を中心に設計活動を行っていました。そこから某大手住宅メーカーの設計業務を引き受けるようになり、住宅の設計が増えていきました。私(松尾和也)が戻ってきたのは2003年、代表取締役に就任したのは2006年です。2003年に当時にしてはまだ珍しかったのですが設計事務所がウェブサイトを開設しました。そのウェブサイトを開設して2ヶ月後にはじめて問い合わせくださったお施主様の住宅(兵庫県内)がサスティナブル東京世界大会でサスティナブル住宅賞を受賞しました。授賞式に参加しましたが、兵庫県のように西のエリアからの参加は私だけでした。

それがきっかけとなり次々に高断熱住宅の設計が舞い込むようになりました。その頃は社内で父の側の仕事をする部署と、私は完全に別部署として稼働していました。しかしながら、兵庫県内においても住宅メーカーの受注は徐々に落ちてきていました。また父も高齢になってきたこともあり2010年頃にはほぼ今の体系である高断熱住宅及び高断熱施設しか設計しない設計事務所となっていました。

 通常、住宅を設計する設計事務所で最も多いのは代表者一人というやり方だと思います。独立したての場合、大半がこれに当てはまります。才能と熱意に満ち溢れながらも比較的安くやってもらえることも多い反面、一人であるがゆえに新技術の習得にまわす時間が確保できない。また、病気、怪我などの非常時に困る等の大きなリスクと常に背中合わせになるのが個人の設計事務所のデメリットです。それについで多いのが2名、3名の設計事務所が続いていきます。3名、4名くらいまでの設計事務所は兵庫県内にも何社かあります。ところが5名以上となると兵庫県内でも数社しかありません。またその数社も一般建築物を手掛ける会社が大半だと思います。兵庫県という場所は47都道府県ある中でも比較的人口が多いほうです。しかも芦屋、西宮、神戸市東灘区といった日本を代表する超高級住宅街を抱えています。その結果、ほかの都道府県に比べて兵庫県は設計事務所(建築家)の数は非常に多いエリアであるといえるでしょう。

 先程は設計事務所を社員数で分類してみましたが、次は業務内容で設計事務所を分類してみたいと思います。一番設計事務所らしいのは住宅以外の一般建築物を設計する設計事務所です。世の中にたくさんある、普通のビルや店舗、学校その他、色々ありますが、そういうものを設計していると考えるとわかりやすいと思います。次にアトリエ系と呼ばれるいわゆる「建築家」と呼ばれるような設計事務所があります。このような設計事務所は兵庫県のように設計事務所過多エリアにおいても比率はさほど多くありません。世の中に「おっ!!この建物すごいな!」と思えるような建物比率と同程度しかないと考えていただけるとわかりやすいと思います。

 最も多いであろう形態が工務店、住宅メーカーの下請け、確認申請業務の外注業務を主としている設計事務所です。これらの会社は非常に作業が早く、正確な反面、魅力的な図面を考えたり、現場管理を行うといったことはほぼ全くやっていないことが多いです。

 住宅を提供している数として多いのは住宅メーカー、及び工務店、パワービルダーと呼ばれる業態です。彼らは一見設計事務所には見えません。しかし、住宅の設計を生業としてやっているということは設計事務所登録を兵庫県、もしくは全国にまたがって仕事をしている会社の場合は国に対して行っています。こういった会社の中で働いている設計者は主に平面図と立面図と仕上表を書くだけで終わってしまう業務が大半です。その代わりものすごい数のプランを日々作っています。彼らは接客慣れしています。またプランニング能力の個人差はかなり大きいです。誰に当たるかは非常に大きな差となります。また、会社によってきちんと建築士の資格を所有した社員が設計している会社とそうではない会社があります。仮に建築士を持っていたとしても、彼らは設計者が本来持っているべき能力のごく一部しか身につけることができません。なぜなら徹底的な分業と工場生産が進んでいるからです。

通常の設計事務所では使える材料は自由、初回接客から竣工引き渡しまで一人の担当者もしくはその上司とのタッグですべてを担当します。しかしこのような会社では接客は営業マン、プランも下手すれば営業マン、図面入力だけやってインテリアはコーディネーター、現場監理は専業の現場監督という会社が大半を占めます。これは飲食店に例えるなら本社から送ってくるパックに入った食材を若干調理するというのに似ています。私自身20代前半までそれをやっていたのでよくわかります。私は当時「このままではきちんとした設計者としての技術力を身につけることはできない」と感じたので当時兵庫県でもっとも勢いのあった設計事務所に転職しました。

 あと、住宅系ではありませんが、一般建築物を作る工務店を一般的にはゼネコンといいます。このようなゼネコンの中にも設計者は数名は存在することが多く、そのためゼネコンも設計事務所登録していることが大半を占めます。

 一般の方にはあまり知られていませんが、設計事務所にはあと3つの形態があります。それは構造設計事務所、電気設計事務所、設備設計事務所という業態です。一般建築物を設計する際は通常、お施主様と打合せをしプランを考えるのが我々のような意匠系の設計事務所と呼ばれる設計事務所が引き受けます。そこから外注する形で参加してもらうのが先の3つの専業設計事務所となります。一般的にこれら専業の設計事務所は非常に規模が小さいです。逆に大手の設計事務所になると社内にこれらすべての専門家を抱えているところもあります。昔はこのような大きい設計事務所が兵庫県内にも何社かありましたが、ほとんどなくなってしまったように思います。今ではこのようなタイプの設計事務所は全国区の企業に限定されているというのが実情です。

 このようにいろんな設計事務所がありますが、当社は今常勤で8名程度、非常勤で2名が働いています。兵庫県内で住宅を中心に設計している設計事務所では当社ともう一社しかありません。

 飲食店に例えて考えるとわかりやすいですが、「うどん、ラーメン、焼き肉」と書いた店に美味しい店はほとんどありません。当社では高断熱の木造住宅、木造施設を中心に20年近く、200棟以上設計してきました。棟数だけ見れば当社より多い設計事務所もあるかもしれませんが、高断熱住宅の棟数だけ見れば兵庫県では一番多い設計事務所だと思います。全国でも10本の指には入る設計事務所だと考えています。

 また、大半の社員が社歴5年以上在籍しています。設計事務所の業務は難しい仕事なのである程度一人前に仕事ができるようになるには長くい続けてもらう必要があります。そのためには設計事務所にしてはめずらしく、日曜祝日休み、20時までには帰宅できるよう努力してきました。充実した家族生活の実感がない者に住心地の良い住宅を作ることは難しいと考えるからです。

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