日本人の4%くらいしか最低限の暖かさの住宅に住んでいないと思われます。
日本人の4%くらいしか最低限の暖かさの住宅に住んでいないと思われます。
最近、日本の熱環境の教授の方々のプレゼンでよく出てくるのが下記の表です。
今、日本の住宅ストックはおよそ5000万戸と言われています。
そのうち平成11年基準(次世代省エネ基準)に達しているのはたった5%しか
ないということです。残念ながら戸建住宅では次世代省エネになっているだけの住宅のほとんどが
理想的な室温にはなりません。よってこのような戸建住宅に住む方から「温かい」という満足の
声を聞くのは難しいという現実があります。
まず私が知りたかったのは5000万戸のうち戸建とマンションの比率がどのくらい
なのかということでした。そこで調べてみると
戸 建2750万戸:56%
長 屋 133万戸:2%
マンション2070万戸:42%
というデータを見つけることができました。
戸建住宅に関しては5%の次世代省エネ住宅のうち、まともな温度域で生活できている住宅は
甘く見積もっても20%くらいしかいないと思われます。
そこで2750万戸×5%×20%≒28万戸
という数字がはじき出されます。
この結果は戸建住宅でまともな暖かさを維持できる住宅は100軒に1軒しかないと
いうことを表しています。だいたい私の感覚ともあっています。
次にマンションです。(長屋は少ないので省略します)
マンションの場合、中間階の中部屋かどうか?南向きかどうか?新しいか古いか?によって
かなり暖かさが変わります。
ここで実際に建っているマンションの階数の分布、戸数の分布を調べる必要がありました。
分譲マンションと賃貸マンションで分布の度合いがことなるのですが、両方平均して
考えると20戸4階建というのが平均的というか中間的なマンション像であることが
わかりました。
これはワンフロア5部屋×4層と考えてもらえればわかりやすいでしょう。
この場合、中間階の中部屋と呼べる部屋はおよそ30%です。
次に方位です。メインの開口部が南に向いているとマンションはかなり
暖かくなりますが、南向きの部屋ばかりではありません。
私の経験からすると南向50%、東向20%、西向20%、北向10%くらいと
考えて大きくハズレてはいないと思います。この中で温かいのはもちろん南向の50%です。
最後に築年数ですが、単純に既存マンションのうち新しいほうの半分
すなわち50%は温かいという乱暴な分類を考えてみました。
これらを全てかけあわせると
2070万戸×30%×50%×50%≒155万戸という
結果になります。
戸建よりもマンションの方が少ないにも関わらず、温かい家に住んでいる
人は5倍ほど多いということになります。
戸建の28万戸、マンションの155万戸を足し合わせると183万戸という
結果になり3.6%という結果になります。四捨五入すると4%!!
ここから表題の「日本人の4%くらいしか最低限の暖かさの住宅に住んでいないと思われます。」
というのを導きました。
最低限の暖かさの定義は難しいですが、
「高齢者の命が脅かされない住宅」
「その家に住むことで健康が奪われない住宅」
「常識的な光熱費で家全体を温めることができる住宅」
「私が住んでもいいと思える住宅」
どれも定量的ではありませんが、こんなところだと思っています。
ものすごくざくっとした計算ではありますが、あながち外れてはいないと思っています。
ちなみに、今現在日本の空き家の数は700万戸、14%にもなるそうです!!
ストックの活用が叫ばれるわけです・・・