離島に行くと感じる無駄と不便さを国全体でやっている日本
今朝の日経新聞を読んでいると船舶業界では世界的に燃料が石油から天然ガスに変わろうとしている。またその船で石油や石炭を引き続き運ぼうとしている矛盾について書かれていました。それと同時に、日本に最もたくさんあって稼働率も高い地熱発電が一向に普及しないという記事も書かれていました。
この2つの記事を読んで離島に行ったときに感じる無駄と不便さが重なりました。潜るのが好きなのでちょくちょく離島にいきます。往復も不便ですが現地の人の生活を見ていると食料等の物資は週に一回の船便で来たものを購入していたりします。現地の方は慣れておられますが我々から見るとかなり不便そうに見えます。また、仮に慣れていたとしても鮮度は落ちるし、輸送費と経費がのっている分どうしても高くなります。
電気に関しては本当に大きくて近い島の場合は海底ケーブルでつながっているのでしょう。しかし、そうではない島の場合は石油、石炭、ガスを島まで運んできて発電するという大変なことをやっている島が結構あるようです。この場合、今火力発電で最も効率が良いとされるコンバインドサイクル発電などは規模が小さすぎて到底使えません。一番高い石油による発電が主となっていると考えられます。
さすがにこれは無駄過ぎるということで最近すすんだ離島では太陽光発電や風力発電比率を高めることでエネルギー的に自立に近づいているところが出てきています。食料に関しても魚や一部の野菜のように船便じゃなくても買えるものは極力島内で自給自足するに越したことはないのは子供が考えても分かることです。
ずっと日本にいると大きすぎて「島国に住んでいる」という自覚が消えてきます。この「島国」が自立できるだけの化石燃料と食料があるのであれば別に大きな問題はないのでしょう。ただ化石燃料はほぼゼロだし、カロリーベースの食料自給率は38%です。(カロリーベース、生産額ベースだと66%)この状況は先程紹介した離島に住む方が被っている「高くつく」方の側面を見事に踏襲しています。そういう国というのは概して国民が必死で働いているにも関わらず豊かさを実感しずらい事が多い気がします。普通に考えれば当たり前の話で食料とエネルギーにかかる費用はどんなに貧しい人でもある程度以上削ることはできないからです。
逆に輸出する側にいる国は大した産業がなくてもゆとりある生活をおくりやすい状況にあることが多いと思います。燃料、鉱物資源、農産物の全てにおいて輸出大国であるオーストラリアなどはその好例かもしれません。
不便さに関しては優秀な商社と物流網のおかげで全く感じることがありません。ただ、その商社と物流網にも当然隠れた経費は大量に支払っており、化石燃料は食料の輸出国には多額の利益を支払い続けているのはまぎれもない事実です。もっともわかりやすいのがガス代ですが、日本のガス代は諸外国に比べて異常に高い金額で購入させられています。
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2018html/2-2-4.html
このような状況で地熱くらいはなんとか国のトップダウンで早急に進められないのか?今のようにほぼ一党独裁状況でもそんな最優先事項すらできないのはどうしてなのか?なんともいえないもどかしさを感じました。