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温度別地域区分とQ値、を別の観点から考えてみた

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最近あまり使われなくなってきた指標にQ値があります。私なんかはUA値よりもQ値のほうが感覚が強いので今でもよくQ値で考えます。Q値とは床、壁、天井、窓など面を貫通して抜ける伝導熱と換気によって抜ける対流熱のすべてを合計して総熱損失をまず計算します。次に総熱損失を延床面積で割ったらQ値になります。単位はW/㎡Kというものですがこれは熱貫流率の単位と同じ単位です。Kというのはケルビンと読みますが、これは℃と同じもので言い方が違うくらいに考えてもらえれば大丈夫です。

(厳密には1℃の温度差=1kの温度差ではありますが、起点が違います。℃は水の凝固点、氷の融点である0℃が起点となり±が割り振られます。それにたいしてkは絶対零度=-273.15℃を0K(ゼロケルビン)としそこを起点とします。宇宙いかなる場所においてもこれを下回る温度は存在しないのでマイナス表記は存在しません)

元に戻ってQ値の単位 W/㎡K ですがこれは床面積1㎡あたりかつ内外温度差1℃につき壁等を何W抜けるかを表しています。

よって、この値が小さいほど断熱性能が高いことを表します。それと同時に内外温度差が大きいほど抜ける熱が多いこともわかります。

ここまでは教科書的な説明でした。ここからが新しい観点です。前から国の基準の目安となっているQ値の値と地域区分が妥当なのかどうかが気になっていました。

まずてはじめに1地域から8地域までの地域区分がどこで計算されたのか?それを調べると添付の表の代表値が選ばれていることがわかります。

温度別地域区分とQ値、を別の観点から考えてみた

最も人口が多い6地域は代表地点として岡山が選ばれているようです。岡山の冬の平均気温が知りたかったので理科年表から11月から4月までの6ヶ月間の平均気温を読み取りました。

その結果この冬季六ヶ月の平均気温は8.88℃となりました。他の地域もすべて計算しましたが、だいたいこの冬季平均気温は3月の平均気温に近しいということがわかりました。

岡山でQ値2.7W/㎡K、設定室温20℃だとすると

2.7×(20-8.88)=30.0W/㎡

となります。これは床面積1㎡あたり冬季平均で30W抜けることを意味しています。

同様に1地域から7地域まで計算してみると最もいい結果の宮崎が23.4W/㎡、最悪の長野が38.6W/㎡と出ました。この両者を見るとH25基準通りに家を建てると長野は宮崎の1.64倍の熱損失があることを意味します。

各地域を見比べるとH25基準はおおむね30W/㎡を狙っていそうに思います。

これがG1基準になると岡山では21.1W/㎡となりちょうど基準から3割熱損失が減ることがわかります。同様にG2基準になると17.8W/㎡Kとなり4割熱損失が減ることもわかります。

難しい計算方法は省略しますが、仮に各地域においてH25基準で使う暖房エネルギーと同じだけ投入した場合、G1、G2の家では当初設定している20℃の室温に対して何℃上がるのか?というのも逆算してみました。その結果岡山だとG1で4.7℃、G2だと7.6℃も上がることがわかりました。

各地域の平均温度差を見てもらえればわかりますが、一段階地域が異なってもその温度差はおおよそ2℃でしかありません。ということはH25基準からG1だと2地域分、G2基準だと4地域分暖かくなるに匹敵するとも言えるかもしれません。

自然室温の差でシミュレーションするとH25基準、G1、G2の差は小さく見えてしまうのですが、このような計算だと非常に大きく見えます。

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