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加湿、室温、窓の断熱性能は全部つながっている

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最近いろんなことを実験、伝聞、計測したことで前から理論的にはわかっていたことが具体的な計測結果やデータで確認することができました。それをまとめてみます。

まず、エアコン等の水分が発生しない暖房器具で暖房すると相対湿度は確実に30%くらいになります。(基礎断熱住宅の1年目だけは例外、基礎から水分が1トンくらい放出される)加湿をしなければ絶対湿度は4~5g/kgと理想的な7g/kgをはるかに下回ってしまいます。

7g/kgを維持しようとすると一般的な住宅の場合、3種換気で1日9L程度、一種換気でも5L程度は加湿する必要が出てきます。ほとんどの家がここまでの加湿はしてないので加湿してても「乾燥する」という意見が止まらず困り果てた工務店さんがたくさんおられると思います。

最も燃費の良い加湿器はいつも提案している気化式の加湿器です。これは水桶に多数の円盤状の下敷きを回転させて濡らしたあとファンで強制的に水分を飛ばして気化させるというものです。必要な電力はファンを回す電力だけなので20W等非常に少ない消費電力であることが特徴です。また、気化式の加湿器は部屋が乾燥しているときはよく加湿し、湿っているときはあまり加湿しないという特徴があります。これは原理的に考えれば分かる話だと思います。ですので他の方式のようにシーツがベトッとした。。というようなことは起こりません。

しかしながら、欠点もあります。室温が低いと加湿量が減るということです。日本の住宅はたいてい室温が低いので、日本の家電メーカーが作る加湿器はたいていハイブリッド式と呼ばれる気化式のファンに温風機能を付加した方式が取られています。

このふたつの特性を見事にあらわしている表を見つけたので添付します

加湿、室温、窓の断熱性能は全部つながっている

やはりといいますか、室温20℃とか21℃以上が健康と言われ続けてきました。その先にできれば湿度対策も!!と言われ続けてきました。燃費の良い、しかも一日1回の給水で済むような大型が存在するのは気化式加湿器しかありません。それを使って理想条件まで加湿するには室温を高く保つ必要があるということになります。

しかし、そこまで(20℃50%、7g/kg)まで加湿すると樹脂アルミのサッシは下枠が「必ず」結露します(温暖地域のサーモスXだけは例外、あとはすべてアウト)このことを5年以上前から言い続けてきました。

大半の実務者がこの領域まで複合的に考えるところに到達していないからこそこ、これまで業界内に省エネ的基準的には最高レベルだから「樹脂アルミ」でいいじゃないか。。がはびこってきました。住まい手の健康と快適性、結露、カビの掃除といったことを真剣に考えると一般的な樹脂アルミサッシの選択はないということになるわけです。ということで全部がつながっているというお話でした。

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