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人が二足歩行するようになった理由について最も説得力を感じた本

今日は久々に本の紹介です。ここ最近出張のたびにずっと持ち歩いていたのですが
読み終えて、今までに全く知らなかった知識を得ることができたので本当に脳みそが
満足した感じです。
人が二足歩行をするようになり、火や道具を使えるようになったことが文明のはじまり
のように言われることは小学生でも知っています。
しかし、「なぜ二足歩行するようになったのか?」に関しては今まで「これだ!」という
理論に出会っていなかったように思います。過去に読んだ本の中では
「女の由来 : もう一つの人類進化論」という非常に古い本が面白かった。
この本ではヒトがチンパンジー等の類人猿と共通の祖先から進化する過程で、
水生生活に一時期適応することによって直立歩行、薄い体毛、厚い皮下脂肪、
意識的に呼吸をコントロールする能力といった他の霊長類には見られない特徴
を獲得したとする仮説が書かれています。
しかし、この論は完全に反主流派で全く信ぴょう性がないことらしい。話が面白いことと
信ぴょう性が高いことは全く別の次元のことのようです。
今回読んだ本は「BORN TO RUN」邦題は「走るために生まれた」というものです。
最初読みはじめるとウルトラマラソンと呼ばれる100kmをゆうに超える山道を
走るようなマラソンに関する本だと思っていました。文章は極めて読みづらく読むのを
やめようかと思っていたら、途中から一変して劇的に面白くなってきました。
・まず、道具を使うために2足歩行になったのではないということ。生物は生存競争に
生き残るために進化するのである。実際二足歩行になってから道具を使うようになるまでは
数万年以上かかっている。ということは二足歩行になることが生存競争上優位であった
らしいということ。
・元来二足歩行は推力、安定性、空気抵抗の全てにおいて不利である。よって、ほとんどの
4足動物より走る最高速度はかなり遅い。それでも2足歩行をする生存競争上のメリットが
あったということになる。
・遺伝子的に最も人に近いチンパンジーとも決定的に違うところがある。それは
アキレス腱、土踏まず、大臀筋、項靭帯が人間にはあって、チンパンジーには
ないか、ほとんどないということ。これらの部分はすべて歩くのではなく走るということに
特化した動物にしか見られないということ。
・人間以外のすべての四足動物は体の形状と走り方から一歩につき一呼吸しかできない。
それに対して人間は歩数とは無関係に呼吸をすることができる。これは二足歩行がもたらした
結果である。
・体毛がなく、直立で、二足歩行、そして汗腺も多い。これらから言えることは太陽が
降り注ぐ灼熱の中でも空冷エンジンの如く放熱し続けることができる唯一の動物であると
いうこと。それにプラスして歩数に縛られない呼吸が組み合わさることで他のすべての動物が
真似することのできない特徴を得ることができた。
それが、速くはないが、暑い中長時間走り続けられるという特徴である。
それにプラスして、他の動物には見られない特徴として、協調性があげられる。
この二つの特徴を利用すると、集団で時間をかけて四足動物を追い詰めて
食料を得ることが可能となり、これが二足歩行をするようになった理由だと・・・。
実際に人類の始まりと言われているアフリカのブッシュマンには伝統的にこのような
スタイルを続けている部族もあるらしい。
しかし・・・、42kmのマラソンでも足腰を痛める人が続出する中で、その数倍の
距離を走ってもまったく体を壊さない。むしろ逆に非常に健康である理由はなにか?
そこは現代のランニングシューズによって引き起こされた現代流の走り方に全ての
原因があると書かれている。
書きだすときりがないのでこのくらいにしておきますが、今まで全く思いつきもしなかった
ことを書かれた本に出会うと本当に大きな知的興奮を味わうことができます。
しかしながら、この研究をするために、原住民と一緒に年単位で暮らしたりする
ハーバードの教授達というのは本当に凄いと思います。学者というのは利益を生むのが
目的ではないのですから、このくらいのめり込んでやっているのを見ると学者魂を
感じさせられました。

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