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NHK「神の数式」を見た感想

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NHK「神の数式」を見た感想
以前からお伝えしていた「神の数式」が2夜連続で放送されました。
第一話はすでに既定の事実となっているミクロの世界を表した「標準理論」
の解説で、正直こちらにはそれほど期待はしていませんでした。
それでも、実際に標準理論が生み出される過程や、生み出した本人の映像付きで
見られたことは非常に貴重でした。
なにより、普通、一般向けの本であれば省略されてしまう難解な公式を
意味こそ説明しなくてもきちんと画像として表示するやりかたは素晴らしいと
思いました。
今日の第二話こそ本命でした。ミクロの世界を表す標準理論と
マクロの世界を表す相対性理論が矛盾する・・・。その矛盾を解消する
かもしれないほぼ唯一かつもっとも可能性が高い理論が超弦理論(超ひも理論)
と呼ばれる理論であるという内容でした。
この理論を最初に考えたシュワルツ本人も出ていましたが、現在、第一線を行っている
ポルチンスキーやウィッテンといった私が考える現生人類の中で最も賢い人物の
生映像を見ることができたのは非常に貴重でした。(余談ですが、人類最強のは
エメリヤエンコ・ヒョードルだと思っています)
車椅子のホーキング博士も出ていましたが、正直私はホーキング博士にはそれほど
興味がありません。間違いなく天才ではあると思いますが、その境遇故に物理学界での
貢献以上に有名になってしまっている感が否めないからです。実際、彼は今まで何度も
推論が間違っていることを認める結果になってしまっています。(もちろん間違いが
駄目と言っているわけではまったくありませんが)
莫大な予算と時間をかけた世界各地の取材とCG作製はNHKスペシャルならではで
本当に見る価値は有りましたが、内容は予想通り浅いものだと言わざるを得ませんでした。
まず、上げ足を取るわけではないのですが、映像の中でさんざん宇宙の年齢が
137億歳と紹介されていましたが、今年の2月だったと思いますが、宇宙の年齢は138億歳
というのが定説になっています。番組を制作したのが発表より前だったんだろうとは
思いますが、一言訂正するだけでよかったはずです。しかも監修者もかなりいたと思います。
そのまま流れてしまったのは少々残念でした。
それと、現状では超弦理論の最先端は番組の最後にチョロっとだけでてきたように
10次元から11次元へと移行しており、名称も超重力理論もしくはM理論というふうに変わって
います。超弦理論の最先端物理学者はほぼ例外なくこちらのほうに移行しているにも関わらず
その言葉すら一言もでてこないのは残念でした。そのあたりの理念を考えたのが
番組内でちょっとだけしか出てきませんでしたが、ウィッテン博士であり、世界中の
天才物理学者の中でも「天才」と言われている人です。本当なら彼を一番クローズアップ
すべきだったのになぜそうしなかったのか?そこは疑問でした。
どの世界でもそうだと思いますが、能力が最高レベルにある時期と、評価(権威)が
最高レベルにある時期は異なるのが一般的だと思います。(スポーツの世界は別ですが)
ノーベル賞なんかをみると典型ですが、賞を取るのは30年くらい前の功績が認められて
ということが多いと思います。
権威にならないと一般的なマスコミではとりあげられませんが、一番おもしろくてホット
なのは言うまでもなく、今最先端を行っている人たちです。私はそういうのが大好きです。

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