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夏の涼しさは設計で決まる!

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今日は午後からLIXILの南港にある総合ショールームというか関西本部というか
そういうところで講演してきました。府庁舎WTCのすぐ近所です。最初は
車で行こうかと思っていたのですが、少しでも仕事を片付けたかったので
電車にて行きました。
今日は昨日とは打って変わって少数精鋭で実際に各社がプランニングしたものを
パッシブデザイン的な観点から評価するという形式のものでした。講演半分
設計手法の勉強会半分といったところです。一般のかたはどう思うか分かりませんが、
冬の暖かさは断熱などの仕様半分、南面窓の大きさをどれだけ取れるかの
設計半分で成り立っているといえば分かりやすいかもしれません。
反面、夏の涼しさに関しては屋根の断熱さえしっかりできていれば、後は窓の設計と
庇の設計で決まるという感じが強いです。強いて言うなら設計が7~8割といっても
過言ではないと思います。
しかしながら、そんな設計で決まる夏ですが、パッシブデザインを心がけていない
設計者が住宅メーカー、工務店等を含めておそらく90%を占めると思われます。
その結果、エアコン無しでは我慢しても生活が成り立たないレベルの激暑住宅に
なっています。立場上いろんな図面を見ることがありますが、そこからきた推測の
数字です。
一般の方でも「図解エコハウス」等の本をじっくり読めば理解できるほど簡単な
ことですが、それを大半の実務者が知らない。もしくは勉強していません。
ひどい人になると勉強しても実行しようとしません・・・。
どれだけ格好良くても、間取りが良くても、夏暑くてたまらない住宅は省エネ的にも
健康面でも、光熱費の面でもすべて失格です。
建築学科、もしくは建築士の試験でこのあたりの知識がしっかりと身につくように
しなければ、この傾向は私がいくら講演したとて微々たる影響しか及ぼさないと
思います。
東京大学の前先生なんかは学生さんたちに熱環境の重要性をわからせるために、本当に
実感を伴えるような説明を心がけておられます。近畿大学の岩前先生も実務者向けに
「しなければならないんだ」と否定しようがないところまで説得する講演をよくなさっています。
少なくとも設計を行う人間は一度はこういった講演を聞くか、きちんとした本を熟読
する必要があると思います。

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