10月26日
夏の日射遮蔽の話から「東西北面は一部屋1面につき0.5㎡以内」と書きましたが、これは冬の熱損失低減、高価な窓代の削減にも大きく貢献します。
しかし、この法則、例えば子供部屋のような2階居室を北側に配置すると矛盾が生じます。
建築基準法の採光基準では床面積の1/7以上の窓面積を確保しなければなりません。北側中央部の部屋だと0.5㎡×7=3.5㎡まで、北西角部屋でも倍面積の7㎡までしか居室面積が取れないことになります。仮に法的にOKだったとしても、法律ぎりぎりの部屋はかなり暗くてどうにもならないことは実務者ならだいたい知っているところです。
これを解消するためには天窓をつける以外では北面か、東西面の窓を大きくするしかありません。ということで、例外措置をやらざるを得なくなるわけです。
ですので、居室は可能であれば南側に配置することが例外設計をしなくてよくなるので有利になります。それでも北側に配置せざるを得ない場合もあります。その場合は、屋根を棟ずれとし北側の部屋にも上部南側窓を設計する手法が個人的にはおすすめです。
第二回のエコハウス大賞物件もその手法でした。