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LNG(液化天然ガス)でものすごく気になったこと2点

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今アメリカではご承知のようにシェールガスが大量に出ています。
それによってガスの価格が大幅に下がっています。アメリカは
これからエネルギー源はできるだけガス化し、石油製品のみを
石油に頼っていくようにシフトしていることはよく言われるところです。
そんなふうに世界ではガスの価格が下がっているのですが、日本の
ガス購入価格はアメリカの6倍とか9倍とか言われたりすることもあります。
現に国会においてこのことが取り上げられたこともあります
また、価格の差があるだけでなく、3.11後世界のガス価格が
下がっていく中で、日本の購入価格は逆にあがり続けたということも
指摘されます。
原発問題で足元を見られるだけでそこまで変わるものか?
そんな疑問を持っていたところ、たまたま、下記のページを見つけました。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1900?page=3
この解説を読んだ瞬間「なるほど!」と思いました。
欧米はたいていそうだと思われますが、ガスはパイプラインで気体の
まま運ばれます。特に有名なのはロシアのガスプロムでロシアで大量に
取れるガスはヨーロッパ全域はもちろんのことアフリカにまでいっています。
政情不安なロシアからのガスにはできるだけ頼りたくないという思いもあって
ヨーロッパは自然エネルギーを増やしているとも言われるほどです。
上記のホームページを読んで分かるのは天然ガスを液化するには手間と
エネルギーがかかること、さらにはその取引の方法まで全く異なる
ということがよく分かります。この著者は「異なる商品を比べても意味がない」
とまで書いています。
これで、納得できるかとおもいきやまた疑問が出てきました。
天然ガスの主成分であるメタンは-162℃以下にしないと液化することは
ありません。そこまで冷やすにはいったいどれだけのエネルギーが必要なんだろう?
また、その差があるということは、日本のガスの一次エネルギー換算係数は欧米より
高くならないと辻褄が合わないのでは?
これは、非常に大きい話です。
ということで、ざくっと計算してみました。
メタンの発熱量はだいたい50000MJ/t
くらいです。
仮に30℃の-162℃まで冷却してメタンを液化するのに
必要なエネルギーは780MJ/tくらいです。
細かくいうと、ヒートポンプを使ってこの780MJの熱を奪い取る
必要があるので、液化する国の電気のPEFや液化する機械のCOPも必要に
なりますが、かなり相殺サれると思うのでそのままいきたいと思います。
そうすると780/50000=1.5%
となります。
液化というとかなりエネルギーを食うように思っていたので予想より
かなり少ないパーセンテージでした。この程度であれば、さほど気になる
量ではありません。
しかーし・・・。とはいえ、日本も北方領土経由でガスプロムからパイプラインを
引いてきて激安の気体のままの天然ガスを輸入できないものか・・・。
そんなふうに思ってしまいます。(これはちょっと前の「未来世紀ジパング」でも
言われていました。)

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