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幸福度世界一の国デンマークの感想(5)

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幸福度世界一の国デンマークの感想(5)
その他日本と大きく違うところを紹介していきます。
教育への国庫負担率額が多い
対GDP比で見た場合、デンマークは1位、日本は31位(下記サイト参照)
http://blog.goo.ne.jp/ra…/e/4bc7cd8069820fdc49f0abff5e4c4715
また一クラスあたりの人数もデンマーク19.3人に対して日本は上限で35名、平均は27.9名とOECD平均の21.3名と比べても極めて多いです。友人で小学校の教員をやっている女性がいますが、彼女曰くたったひとり減るだけでも負担が全然違うそうです。
このように不利な日本ですが、日本の新聞がよく話題にするPISAの学力テストの結果は日本のほうが上になります。
http://ameblo.jp/tekkanomaki/entry-11717074731.html
日本の新聞や文科省はこのランキングを見て一喜一憂しています。
しかし・・・実際にその結果である一人あたりのGDPで見るとPISAの順位と相関していないことは明らかです。
世界の教育に関してある程度勉強したり、現地の学校を見て思うことがあります。発展途上国ほど詰め込み教育の学歴社会の傾向が強く、成熟国ほど考える力、創造力を養うことを重視しており、そもそも偏差値や大学のレベル差などというものが存在しません。
詰め込み教育でなんとかなる項目はインターネットや人工知能が最も得意とするところです。相手が得意な土俵で勝負することがもっとも分が悪い戦であることは優秀な軍師なら誰でも知っていることです。脳科学者の茂木健一郎さんもそのことは著書で述べられています。
以前からずっと感じていたことですが、日本では衆議院議員の定数や立候補可能年齢等はしつこく暗記させられます。
しかし、投票に行く権利を獲得するまでの歴史がどれほど大変であったか?投票することの重要性をこんこんと教えられたり議論したりした経験がある日本人はおそらく一人としていないと思います。これでは教育の意味などあってなきが如しです。
実際にデンマーク(その他周辺国も似ていると思われる)では選択方式のテストはなく、電卓はもちろんのこと、教科書や資料の持ち込みも可能となっています。筆記試験と口頭諮問が中心で常に変容する社会の中で生き延びる力、自分で答えを見つけ出す力が重要とされるそうです。
よく、企業は人なりといいますが、人は教育によって成り立っているといっても間違いないでしょう。
教育というのは非常に時間がかかりますが、そこをきちんとやっている国や企業(もっと小さく言えば一族)は長期にわたって安泰となることは、誰もが否定出来ないと思います。
ドイツでも幼稚園、小学校の現場を実際に見ましたが、幼稚園の頃から自分で選択する。自分の意見を述べるということが徹底的に訓練されています。それに加えて、小学校からは母国語に加えて実際に道具として使うための英語の授業も取り入れられています。
かといって、決して厳しいばかりではありません。逆に日本の学校の教室よりはるかにカラフルで創造性にあふれ楽しそうな雰囲気がビンビン伝わってきます。例えるならGoogle本社のような雰囲気とでもいえばいい雰囲気です。
こういった環境、教育内容で全児童が教育されているからこそ、高い付加価値と成熟した社会が実現できているのだと強く感じた次第です。

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