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乾燥対策

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2月18日
今朝、空港に向かう車の中でFMラジオを聴いていたらDJの方が、ホテルでの乾燥対策としてベッドの横にコップを置いているだけでも効果がある。とか、加湿をすると暖かくなる。と言ってたのが気になったので、ちょっと書いてみたいと思います。
まず、ホテルの部屋ですがシングルだと15~20㎡くらいが多いかと思います。
仮に20㎡、天井高さが2.5mとすると容積は50㎥あることになります。
ホテルの法定必要換気回数は覚えてないですが、基準法の0.5回も換気してないホテルが多いように思います。
ですが、今回はとりあえず0.5回と仮定してみます。
そうすると1時間に25㎥の暖房され外より少しは湿っている空気が外に出ていき、代わりに25㎥の冷たく乾いた空気が部屋に入ってきます。
ほとんどの部屋がおそらく絶対湿度で4.5g/kgくらいだと思います。
20℃の空気はおよそ1.2kg/㎥なので、もともと室内には60kgくらいの空気があり、その中にはおよそ270gくらいの水が含まれていることになります。
このうち半分の135gはそのまま室内にとどまり、残りの半分は3g/kgの乾いた空気に入れ替わります。
その水分量は3×25=75gなので、元の135gと足すと210g/kgとなり、元から低い湿度が換気するほど、どんどん湿度が下がっていくことが分かります。
寝ていてものどの渇きを感じない水分量は7g/kgくらいです。
この場合、50㎥の部屋には350gの水分があることになります。
毎時0.5回換気すると、そのまま残るのが175g、1時間後の水分量は250gなので毎時75g加湿してちょうど元の湿度を維持できることになります。
実際には人がいるだけで少し水分が出ます。
またシャワーを浴びたりすることでも水分が出ます。
しかしそれを加味しても22時にチェックインして8時にチェックアウトするという10時間滞在の場合でも750gから発生水分量を差し引くくらいの加湿は必要だということになります。
とてもじゃないですが、一晩で水位が1mmも下がらないコップの水で加湿などできるはずがないということになります。
それと、もうひとつ。
加湿すると暖かくなるということについて
これは半分正しく、半分間違っていると言えます。
昔よくあったスチーム式の加湿器で加湿する場合は確実に暖かくなります。
これはそもそも熱の力で水を温めて気化させる方式なので、水分量と熱を同時発生しているからです。
反対に最も省エネな気化式の加湿器の場合、暖房しない状況で稼働させればさせるほど気化熱によって室温は下がっていきます。
気化熱とは注射する前のアルコール消毒ですっとする感じ、もしくは夏の打ち水によって多少道路の温度が下がることと思っていただければわかりやすいかと思います。
ただし、エアコンによる暖房と併用している場合、室温が下がった分だけ余計にエアコンが稼働することになります。
そうなった場合は、加湿せずに20℃の場合よりも加湿した20℃のほうが確実に暖かくなります。
ここまで読めばわかるかもしれませんが、空気中の水分量=熱の一種なのです。
専門用語でこれを潜熱といいます。

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