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竹中大工道具館

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この1年で訪れた日本の建築物では一番感銘を受けました!
今日はじっくり1日休日が取れたので昼から家族で
新神戸に出来たばかりの竹中大工道具館に行ってきました。
http://www.dougukan.jp/
竹中工務店が施主であり、設計者であり施工者であるという
竹中の威信をかけた建築物です。
一般の方にはなじみがないかもしれませんが、竹中工務店というのは
日本にある5大工務店のひとつで、この5社はすべて売上高が
1兆円前後で業界内ではスーパーゼネコンと呼ばれています。
他の4社はすべて土木と建築が5:5くらいの割合ですが、
竹中工務店だけは1:9くらいの割合だったかと思います。
ということは建築に関する工務店としては日本最大ということになります。
また、この会社は他の4社とは大きく異なるところがあります。
まず、株式を上場していません。そして、自社の建築物のことを「作品」
と呼ぶほど設計のこだわる唯一のスーパーゼネコンです。
他社が比較的施工のしやすさやメンテナンスのしやすさ、コストにはしりがちな
ところ、竹中だけは設計部の部下がデザイン的にしょうもない図面を上司に持っていったら
めちゃくちゃ怒られるという話を聞いたことがあります。
私も少しだけですが、竹中には縁があります。
というのも最初に就職した住宅メーカーの創業者は元竹中工務店の設計部長だった
方でした。その当時まともな住宅を建てる企業がなく、そういう会社を作りたいという
思いから、竹中の設計部長という建築の世界では天上人のような立場を捨てて
独立された強烈な創業者でした。
私の上司から聞いた話ではその指導方法は凄まじく、上司が部下の図面をチェック
するときは、コピーではなく、原図を赤ペンでチェックしていたとのことでした。
これ、すなわち一箇所でも間違えていたらすべてゼロから書き直せということです・・・。
非効率といえば超超非効率で、涙する社員も多かったそうです。
それでも、それだけの緊張感をもって図面にのぞみなさいということだったんだと思います。
と前置きが長くなりましたが、この建築物
まず、建物の設計自体が本当に素晴らしい。
中の左官仕上げも見事でしたが、見た瞬間に久住さんの仕事に違いないと
思いました。(情熱大陸にも出た左官屋さん、あとで本で確認したら
やっぱりそのとおりでした)
そして、中に置かれてある展示物自体も素晴らしければ展示方法も素晴らしい。
先月ドイツで行った世界最大の博物館であるドイツ博物館でも同様の衝撃を受けましたが
広さこそ100倍くらい違うかもしれませんが、密度はむしろこちらのほうが高いとすら言える
レベルでした。
体験コーナーもあり、子供とともにのこぎり、かんな、墨付け等を体験させていただき子供も
ものすごく喜んでいました。
「住宅建築」の2014年12月号でも特集がされており、現地で売られていたので即購入しました。
http://www2.ksknet.co.jp/book/search_detail.asp?bc=04011412
最初の紹介を内藤廣さん(私も尊敬している木造が得意な建築家)もかなり推奨しておられる
ことからもこの建物のクオリティが伺いしれるとおもいます。
詳しく説明しようと思っても、どうやっても説明しきれないレベルですし、説明するだけ現地の
クオリティを下げてしまうような気がするので、詳細な説明は避けておきます。
現地は新幹線の新神戸駅から徒歩三分くらいなので遠方の方でも非常に来やすいと思います。
木造建築に携わる方は絶対に見ておいたほうがいい施設だと思います。
また、家族連れでも結構楽しめる施設です。
明日会社で全体打ち合わせがありますが、うちの社員は全員強制的に行かせる予定です。

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