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日本、ドイツ、スイスの省エネ基準を比較してみた②

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各国の一次エネルギー比較
一次エネルギーの説明は、細かくなるため詳細は省くが、ガスや灯油は家で使っている量そのもの、電気に関しては自宅が使う分を作るのに発電所で使っている石炭、石油、ガスのエネルギー量と考えていただければわかりやすいと思う。
この際、電気に関しては自宅に来る際、発電所で使うエネルギー量の1/2.7まで目減りしてしまう。この値を一次エネルギー換算係数(PEF)というが、これは各国の発電事情により異なる。各国の事情を比較するには各国のPEFも理解しておかなければ、同じ土俵での比較はできない。
また、一次エネルギーと一言でいっても日本の場合「暖房」「冷房」「換気」「給湯」「照明」「家電・調理」までが含まれている。ところが、パッシブハウス基準の場合「家電・調理」のうち洗濯機や冷蔵庫のように生活に最低限必要ないわゆる「レオパレス家電」しか含んでいない。スイスのミネルギー基準においては暖房、換気、給湯の3つしか含まない。これらの項目も揃えなくては、正確に比較することはできない。そこで実際にこういった項目を揃えて比較してみた(下図)。
日本、ドイツ、スイスの3国に共通する項目は「暖房」「換気」「給湯」だけである。しかし、給湯に関しては日本だけが入浴の習慣がある。また給湯器のシステムも全く異なる上、ドイツ、スイスでは太陽熱温水器の利用が一般的になっていることから含めてしまうと全く意味のない比較になってしまう。そこで「暖房」と「換気」(熱交換有)の状態でPEFも日本と同じ数値に換算して比較したのが黄色の数字である。
こうやってみると、パッシブハウス基準と、ミネルギーP基準はほぼ同等であることがわかる。逆に日本の場合トップランナー基準相当の住宅でも2.64倍、低炭素基準で3.44倍、改正省エネ基準(今までの次世代相当)だと3.88倍も緩い基準となっていることがわかる。
日本の基準は義務基準、パッシブハウス基準とミネルギー基準は民間基準ということで同列で比較するのは酷だが、これだけの差があるということである。
日本、ドイツ、スイスの省エネ基準を比較してみた②
一次エネルギーの日本とドイツ、スイスとの比較

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