LCCMとはライフサイクルカーボンマイナスの略で、住宅の製造から解体までを含めた省CO2を極限まで
高めた上で、大量の太陽光発電を載せることによって、20年以降くらいは逆にその建物があることによって
建設時から利用時までを含めて排出したCO2よりも太陽光発電等によって生み出されるエネルギーの方が
多くなる住宅のことを指します。カーボンマイナスということからもわかるように、その家があることでCO2は
逆に減っていくというわけです。
最新号の住宅特集でも20ページ分くらいぶち抜きで特集されていました。日本トップの建築系研究機関で
ある建築研究所、意匠系のトップは小泉雅生さんという組み合わせで作られています。
日本の熱環境の大御所が叡智を結集して作った建物でしたが、ドイツでパッシブハウスを見たときの
ような衝撃を受けることはありませんでした。良い悪いというわけではありません。
ただ、あの住宅を普通に建てることがどうやったらできるのか?当然そのままでなくてもエッセンスを
利用するというだけでも無理を感じてしまうのです。モデルハウスとしての特殊解としては面白い
試みだと思います。ただ、私のように多くの住宅を実際に設計していく人間としてはそれら全ての
住宅の向上に役立つ何かを得たいと思ってしまうわけです。
それが、ドイツのパッシブハウスを見たときには大量に存在したからこそ、異常にといってもいいほど
大きな感銘を受けたわけです。それが今回はほとんど感じられませんでした。住宅特集やネットで
そうであろうこともだいたい想像していたのですが、行かないと分からない点はやはりたくさんあったので
それに関しては良かったと思っています。