中高級住宅メーカーが衰退し、安価な分譲会社が躍進しているようです。
日経新聞に面白い記事が出ていました。
2005年度と2011年度の売上棟数トップ10の販売戸数の変化を表していました。
グラフになっているので大体の読み取りですが
1位から順に左2005年度、右2011年度の棟数(万戸)
で表示してみます。
1位 積水ハウス 2.1 1.7
2位 セキスイハイム 1.2 1.1
3位 タマホーム 0.5 1.0
4位 大和ハウス 1.2 1.0
5位 ヘーベル 1.2 1.0
6位 ミサワホーム 1.3 0.9
7位 住友林業 1.0 0.9
8位 一条工務店 0.7 0.9
9位 一建設 0.7 0.8
10位アーネストワン 0.4 0.7
グラフを見て一目瞭然で分かることがあります。
それは中高級の一流と呼ばれるメーカーが軒並みダウンし
安価と言われる分譲会社もしくはタマホームが躍進しているという
2極化です。
唯一の例外は一条工務店です。
全国区のメーカーで唯一かなり大幅に躍進していることが見て取れます。
メーカーの中でもぶっちぎりの高断熱、省エネ性能に加えて安価であることが
消費者に理解されたということでしょう。
住宅メーカー、国も断熱性を軽視しがちですが、国民の方がその重要性を
分かっているということかもしれません。
一建設さんやアーネストワンさんは分譲会社ですが、多くの都道府県で100棟
以上(首都圏では1000棟以上)建てているような業者さんです。
埼玉のような日本一のベッドタウンでは1位の会社が一県だけで2000棟オーバーとかも
ありますが、逆に鳥取や佐賀のような小さな県では1位でも100棟超えるか超えないか
という状況です。
住宅事業建築主の判断基準、いわゆる事業主基準では年間棟数150棟以上の建売業者の
水準をトップランナー基準に持って行こうとしています。上記でいうと一建設さんや
アーネストワンさんが該当するわけですが、これを2013年度内に実現しようというのが
この基準の趣旨です。ということはこの基準のスタートまであと半年に迫ってきたわけです。
私は省エネと健康と経済性を共存させることができる最低基準はその地域のトップランナー基準
だと思っています。間違っても次世代省エネ基準ではありません。
全国で150棟以上の会社が何社あるかは知りませんが、こういった会社の住宅は上記の
中高級大手メーカーの家よりはるかに安いです。しかし、それらの会社が地元の同業者の
仕様水準に与える影響はある意味住宅メーカーより大きいかもしれません。
ここでこのままいくと面白い現象がおきます。
住宅メーカーがこのまま断熱仕様を改善せずにいるとすると、
2014年度には一条工務店とスウェーデンハウス以外の全ての大手住宅メーカーは
「安価」な分譲会社の仕様を下回ることになるのです。
断熱性能を売りにするなど言語道断!というわけです。
中高級ということや性能を売りにするということでプライドが少しでもあるのであれば
虚偽に近い営業トークでごまかすのではなく、正々堂々、仕様をあげて「中高級」「大手」
のブランドを守って欲しいと思います。