絶対に読んで、かつ一人5冊くらいは他人に薦めて欲しい本!
今日は建築知識の4月号が事務所に届きました。
執筆者だけ特別に早く送って下さいました。しかし、本当に
短い期間にここまでのものを仕上げる出版業界というものに
改めて驚かされました。
この本もたくさんのかたに読んでいただきたいのはもちろんです。
それはそうなんですが、今日の本題は別にあります。
学芸出版社から発売されている
「100%再生可能へ 欧州のエネルギー自立地域」
という本です。
http://www.amazon.co.jp/%EF%BC%91%EF%BC%90%EF%BC%90%EF%BC%85%E5%86%8D%E7%94%9F%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%B8%EF%BC%81-%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E8%87%AA%E7%AB%8B%E5%9C%B0%E5%9F%9F-%E6%BB%9D%E5%B7%9D-%E8%96%AB/dp/4761525304
私はこの本はヨーロッパに住む日本人環境ジャーナリスト5人が
共同で執筆した本です。
中でも滝川薫さんは「サスティナブル・スイス」で有名ですし、
村上敦さんはドイツのエネルギー政策全般に対して非常に詳しい方と
して有名です。私も一度夕食をご一緒させていただきました。
今、日本では3.11から1年が経過し、原発は2基を残し残りすべてが止まりました。
そんな中でもまだ有効な解決策は示されておらず、メガソーラー等、大企業による
大きな動きこそ顕在化してきましたが、地方から出てくるような小さな循環型社会はまだ
まだ出てきていないと思います。
私は、昨年、一昨年と、ドイツ、スイス、オーストリアへ行き、現地の最先端の村の
実情を見てきました。また明後日からもまた一週間行ってきます。それに加えて
普段から森さんの話もよく聞いています。
莫大な費用をかけなくても、中央政府の認可が下りなかったとしても、地域の各
自治体と住民が本気になれば、ここまで循環型の社会をつくることができる!
それは現地で目の当たりにすると、幕末の志士が当時のヨーロッパを見て感じたのと
同じくらい文明の差を感じました。
どこの国でもいろんなしがらみがあります。しかし、それを乗り越えて小さな地域が
エネルギーの観点で自立していく・・・。これは小規模分散社会のあるべき姿であり、
2050年以降の全地球のあるべき姿だと思います。
国の経済もそうですが、会社のひとつひとつ、国民ひとりひとりが、できるだけ他人に
もたれないで自立していくことが安定の基盤となります。エネルギーに関してもそれが
当てはまると思います。
また、日本では電気メーカーが強く、宣伝広告費が強いがゆえに蓄電池ばかりがもてはやされますが
この本ではそれが以下に経済的に愚かなことかがよく分かります。なぜなら最も不経済
だからです。
主題はエネルギーですが、その中で各国の省エネ住宅のレベルがどのようになっているのかが
よく分かります。日本ではパッシブハウスというと「なぜそこまで・・・」という風潮がありますが、
この本を読めば、なぜそこまでやろうとするのかがすっと沁み渡るように入ってくると思います。
今から全ての原発が止まると言われている5月までの間に再び原発再開に関する議論が
巻き起こるでしょう。そんなとき、国民の一人ひとりが、こういう選択肢があるということをしってお
かなければ「やっぱり原発再開しないとしかたないよね」という風になってしまうと思います。
少しでも多くの人がこの本を読んでいただければと思います。