温冷を感じるポイント、温点と冷点は別々に存在する
パッシブハウスジャパンのメルマガでも書きましたが、購読していない方もいらっしゃると
思うのでこちらでもアップしておきます。
部屋の上部が暖かくても足元が寒いと施主様から「寒い」といわれる経験は床暖房を使っていない
実務者なら誰もが持っていると思います。性能が悪い住宅はもちろんですが、次世代以上の水準の住宅でもエアコン等で暖房する場合、上部温度20℃、床温度17℃とたった、3℃であっても人間は不快感を覚えます。ここで巷でまことしやかに言われるのが「足元のほうが神経が敏感?」といったことです。本当にそうなんだろうか?と思い、いろいろ調べてみるときちんと論文がありました。医学部ではなく文化女子大学の家政学部による研究でした。
まず、温度を感知するセンサーは「冷点」と「温点」の2つに別れるそうです。ここでいう冷点は10℃くらいを指し、温点は32~45℃くらいを指します。要するに一つのセンサーで冷たいのから暖かいのまでを判断するのではなく、冷たいものは冷点で感知し、暖かいものは温点で感知するという別々のセンサーを持っているということです。ちなみに温点では45℃を超えると熱覚と呼ばれるよになり、痛覚を引き起こすと言われています。
このそれぞれの密度ですが、冷点は体の部位別に8~23個/c㎡の割合で存在し、温点は1~6個/c㎡の割合で存在するそうです。このように見ると冷点の方が温点よりはるかにたくさん存在することが分かります。
冷点の密度は高い方から順に顔面→体幹部→上肢部→下肢部となっています。この結果を見ると表題とは逆の結果が出ているといえます。一個づつのセンサーの感度が違うとは考えにく、一般的に冷点の密度が高いところが敏感だといえます。ではなぜセンサーの密度が低い足元の方が寒いと感じるのでしょうか?
続きはまた今度書いてみようと思います。