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人体から奪われる熱の比率

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人体から奪われる熱の比率
最近暇を見つけては放射と対流と呼吸、発汗、着衣量といったことの
温冷感への影響を研究していました。
研究すればするほどPMVに呼び寄せられてしまいました。PMVというのは温冷感を表す
指標のことで、-3(ものすごく寒い)から+3(ものすごく暑い)までが中立の0を含む
7段階で表示されるものです。熱環境の世界では知らない人はいませんが、今まで
この計算式まで突っ込んで見たことがありませんでした。
結局PMVの公式を見つけて紐解くことができました。その結果PMVの公式を
分解すると
不感蒸せつ量
発汗による蒸発潜熱量
呼吸による潜熱損失量
呼吸による顕熱損失量
放射による熱損失量
対流による熱損失量
が全て別々に分かります。
ちなみに非常にわかりやすいサイトが下記になります。
http://ushiodalabs.wordpress.com/colmun/%E6%B8%A9%E7%86%B1%E6%8C%87%E6%A8%99%E3%81%84%E3%82%8D%E3%81%84%E3%82%8D/
この中のPMVの計算式を見るとどれだけ面倒くさいかよく分かるかと思います。
数字が苦手な人は見るだけで頭が痛いでしょうね。私も久しぶりに数学の
頭を頭の奥から引っ張り出してきた感じがしました。
しかしPMVを作ったファンガーという人はほんとにすごいですね。
非常に難解な式ですが、これをエクセルもなにもない、1970年に完成させている
わけですから・・・。
なお、ネット上にはPMVを計算するソフトのダウンロードサイトがいくつか存在します。
しかし、私が見つけた限り
・ページがなくなっている。
・計算結果がデタラメ
というものがほとんどでした。
しかし、計算結果が正しいホームページを一つみつけました。
それが下記になります。
http://www.suga-kogyo.co.jp/cgi-bin/qhgb3q68/pmv1.cgi
上記のページで計算できますが、結果は下記のような感じで出てきます。
http://www.suga-kogyo.co.jp/cgi-bin/qhgb3q68/pmv2.cgi
これを見れば人体から放射、対流、呼吸、発汗においてどれくらいの
割合ずつ熱が移動するかが一目で分かります。(ただし、足裏からの
熱伝導による熱移動は含まれていません)
このページ自体の入力は1分以内にできると思います。結果は1秒で出ます。
これを見れば遮熱建材のカタログに載っている「固定された輻射の影響比率」
がいかにおかしいかがよくわかると思います。また、建物の性能だけでなく
どの程度体を動かしているか?どの程度服を来ているかによっても大きく
結果は異なります。
なお、簡単にシミュレーションするにあたっては代謝量は1met、機械的仕事量
も0、平均風速は0.1にて固定でいろいろいじってみるのがいいと思います。
なお、夏の検討をする際の着衣量は0.3、冬は1くらいで検討するのが良いかと
思います。それに関しては下記のサイトが非常にわかりやすいです。
http://www.omsolar.net/himawari/main/vn12.asp
この記事を見ていろいろいじって見た方!その結果をもっていろいろと議論できればと
思います。

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