小さくても大企業病な日本と、小回りが効く巨人中国
今日は船井総研さんでセミナーを行って来ました。西は九州、東は名古屋からと
たくさんの工務店さんに来ていただきました。
今日の内容は上海特集の最終回です。
今回のツアーでは上海から西に車で1.5時間ほどの「フンコ」という
これから開発が本格化する町にいきました。その間のほとんどの場所は
原っぱみたいな感じですが、両都市はやはり街です。
これは都市計画の旨さだと思います。ドイツでもそうですが、ポツンと
一軒だけ建てるようなことができるだけおこらないようにしています。
そうすることで、一軒のためだけにインフラを引っ張るロスや、老後の
ケア、過疎化問題、公共交通機関問題の大半を一気に解決しているわけです。
自家用車に乗らせないようにするための一番の方法は家から徒歩5分以内に
公共交通機関の駅等があり、それが10分に1本程度の頻度で来るように
することです。これを手っ取り早く実現するのが、集まって住むしかもある一定数
以上という条件がつきます。これが実現できているのが東京や、大阪のような
街ですが、活気もあり、便利でもあります。反面、高密度になりすぎた故の
短所も出てきています。ドイツにおいてはこのあたりの密度感のバランス、
そして緑の入っている割合が絶妙なのでどこに行っても都会過ぎず、過疎にも
なっていない感じをバランスの良さを感じることができました。
話がそれましたが、中国で働く日本人と話していて思うことは、中国政府の舵取りの
早さです。共産党の一党独裁で選挙もないことから、当たり前といえば当たり前かも
しれません。しかし、国土も広い上人口は10倍の国です。上述した都市計画に
おいては、そもそも土地はすべて国有地であることから日本のように地権者との交渉に
時間がかかることはありません。とはいえ、都市計画だけに限ったことではないようです。
例えばリーマンショックの直後、すぐに迅速な経済対策を打つというのもその一例です。
良いと思うこと、改善すべきことがあればものすごいスピードで実行していくそうです。
これは今の日本に最も足りないところです。民間企業でここ30年くらいの日本政府の
ようなことをしていたら、まず間違いなく倒産していることでしょう。
これは長所ですが、逆にいうと悪い点もあるようです。例えば中国では政府に反抗するような
行為とみなされれば即死刑だそうです。こういうところは日本のほうがはるかに優れています。
ただ、こういった人権の部分は守りながらも、早く決めて実行するということに関しては両立
できると思います。今の日本は少数意見を重視するあまり多数決の原理が忘れ去られた感が
あります。このことの致命的欠陥がわかっているからこそ、橋下市長は「決定できる政治」というのを
最重要課題として宣言するんだと思います。
企業においても、グーグルを筆頭に伸びている会社というのは大きくともどんどん変わっていける
やわらかさを兼ね備えています。逆に地場の中企業でも社内の様々なしがらみから大企業病に
陥っている会社がたくさんあります。
設計事務所を見に行ったわけですが、日中両国の制度を知る人達と話をする中でこんなことを
強く感じさせられました。