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幸福度世界一の国デンマークの感想(6)

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幸福度世界一の国デンマークの感想(6)
「国民と国家の連携が悪い国は幸福感が低い」
デンマークツアーにいく前にデンマーク関連の本を2冊
「なぜデンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか」ケンジ・ステファン・スズキ著

「格差と貧困のないデンマーク 世界一幸福な国の人づくり」千葉忠夫著
を読んでました。
また帰国後、希少ですが負の側面もたくさん書かれている本も一冊読みました。
ケンジさんの著作の中で以下のような記述がありました。
「日本滞在中にNHKスペシャルでワーキングプアを取り上げた番組を見ました。勤労世帯の厳しい生活状況、派遣労働で働く若者たちのアリ地獄のような労働実態にも驚かされましたが、もっと驚いたのは番組放送後の政府の対応でした。次の日には厚生労働大臣がテレビに出て、対策案あるいは打開策を提案すると思っていたのですが、一部のわずかな反応を除いて他のマスコミも政治家も番組が提起した問題に対して、正常な感覚での反応がありませんでした。これには正直失望しました。自国の世帯数の10%にあたる400万世帯がワーキングプアだとマスコミが報道すれば、それは大問題です。問題解決のためのメッセージや対策案を国民のために示すのが政治家・行政官僚に課せられた職務だとデンマーク国民は考えるからです。」
とありました。これを読んだとき、「デンマークではそんなに日々素早くレスポンスがあって改善がなされようとしているんだ!なんて緊張感があるんだ!」とほんとに大きな驚きと感心をもって読みました。しかし、考えてみれば、これが当たり前の姿であって、決して特別な姿ではないはずです。
私は日経新聞やNHKスペシャルを読み始めて20年ちょっと経ちます。しかしながら、報道後数日内にこういうことに関して反応があった記憶はほとんどないです。でも、僭越ながら私は影響を受けやすいたちなのか、NHKスペシャルで印象に残ったことは過去10年間のブログで何度もとりあげて来たと思います。これは他人事でも自分のことのように感じることができるかどうか?もしくはそれが自分にも振りかかる可能性があると考える能力に直結していると思います。
ノーヘルでバイクを運転している若者も「まさか俺が大事故起こして半身不随になる」なんて微塵も思わないからああいうことをしているわけでしょう。一個人ならそれでもしかたがないところがあります。しかしながら、政治家、官僚というのは本来、国民、市民等の役に立ちたいというところが存在意義であるはずです。そんな彼らが、メディア等が重大な社会問題を提起しても放置している・・・。しかもワーキングプアだけならまだしも、考えてみてください。年金未納問題だって、原発事故問題だって何ら解決していません・・・今は旭化成建材の杭事故の問題ばかりですが、喉元すぎればなんとやら・・・でほとんど無視を決め込んでいるような状況です・・・・。
監視する側の国民がすぐに重大問題を忘れてしまうのも大きな問題です。しかし、それを見越して時がすぎるのをずる賢く待つだけの側も大問題です。他人事だからすぐに忘れてしまう・・・それが紛れもない事実です。しかしながら、年金が自分に支払われない・・・もしくは原発事故で自分が被害を受けたのに納得いく保証が得られない・・・こんなことがあっても忘れてしまう方なんていないですね・・・。こうやって、泣き寝入りする方がたくさんいるのが日本の現状と言えるでしょう。
これが中国にいくと、もう3段くらいひどい・・・。先日もバイクで橋を走行中に突然橋が自然崩壊して半身不随になっている男性を取材していました。どこを回っても「天災だと思ってあきらめなさい」としか言われず、体が治らないのはもちろんのこと、どこからも金銭的保証はでなかったそうです。
いろんな国に行っていると、デンマークのような少しづつの改善を繰り返したことで進化し成熟した国、中国のように発展途上の国、その間に位置する日本のような国というのが明確に見えてきます。

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