書こうか書くまいか迷いましたが、被害者を増やさないためにあえて
書こうと思います。
この元旦に所員のお祖母様が亡くなられました。風呂場で亡くなられた
ようですが、死因は「ヒートショック」とは書かれません。
詳しいことは書きませんが、聞いた話の状況から推測するに
かなりの確率でヒートショックが原因だと思われます。
80ちょっとのお祖母様だったようですが、家の寒さが
原因で亡くなるのは非常に悲しい出来事です。
私の祖父母も2ヶ月前に加古川の高齢者専用賃貸住宅に岡山の
田舎の伝統木造住宅から引っ越してきました。ふたりとも
90前後です。昨日も夕方寄って来ましたが私が前振り
したわけでもないのに「あの家に居続けていたら今こうして
生きていなかったと思う」と冬の寒さの厳しさを自ら語りました。
私の祖父母は今は24時間暖房が効いた部屋で過ごしています。
それでも施設の浴室は部屋ほどには暖かくないらしく、肝心な
ところが完全ではないように思います。それはそうかもしれません。
高齢者施設の設計者は高齢者施設のプランニングにはなれていても
温熱環境の知識がある方は非常に少ないからです。
それでも前の家から比べると死ぬ確率は非常に低いといえるでしょう。
子供の頃から慣れしたしんだ先祖代々の住宅で人生の最後を過ごせない・・・。
もしくはそれを実行しようとしたら「命を賭けなければならない」
いまだ日本に建っている既存住宅の多くがこんな状況です。
これを防ぐには光熱費がかかっても、脱衣するときの脱衣所は
きちんと暖房しておく。そして湯の温度は41℃以上にしない。
ということが重要です。しかし、性能が低い家では41℃では寒すぎて
入れない。と言われるかもしれません。その場合は浴室もしくは家の
リフォームをしなければならないと考えて下さい。
しかし、政府はいつまでこんな状況を放っておくつもりなのか??
甚だ疑問です。