寒い部屋が原因で脳血管疾患、心疾患になり死亡する人数を予測してみました。
前回の質問に対したくさんの方からコメントいただきました。
その結果、なんとなく感じたことは自殺者よりもヒートショック死している
人の方が多そうだというものでした。
本当に感覚でしかないので、統計的正確さは全くありません。もしそうなら
3万人を超えていることになりますね。
前回のコメントの中で「病院で死んでいる人が8割だから室温は関係が
少ないのでは」というコメントもあったので、自分なりにいろいろ考えてみました。
確かにヒートショック、脳血管疾患、心疾患になったとしたら病院に運ばれます。
その結果、病院で亡くなられた場合、病院での死亡という形になってしまいます。
この場合、死の原因は病院ではなく自宅にあると考えるのが妥当でしょう。
ということで、まずは心疾患と、脳血管疾患の年間の死者数を調べてみました。
その結果は心疾患死が年間約19万人
脳血管疾患死が約12万人でした。
両疾患とも夏の死者数は少なく、冬場の死者数が多くなっています。
そのデータから明らかに温度が原因で亡くなられた人数だけを
抽出すると
心疾患死が26000人
脳血管疾患死が16000人まで激減します。
ここで、脳血管疾患だけについてですが、発症した場所の比率を表す
資料があります。それによると8割が屋外ではなく室内で起こっているとのことです。
心疾患にもこれを当てはめて計算すると
心疾患死が20800人
脳血管疾患死が12800人
という結果が出てきます。
合計すると33600人です。
これはヒートショックの17000人ともかなりダブっている思われます。
仮に1万人ダブっていると仮定すると家の寒さが原因で無くなっている方は
ざっと年間4万人と推定できます。
そうすると、最初の「自殺者よりも多いのではないか」という憶測と
結構近い感じになります。本当に大雑把な計算なので正確性はないですが、
まったく検討違いという値ではないと思います。
これから今よりももっともっと高齢者比率が増えていきます。
しかし、高齢者ほど古い家に住んでいる確率が高く、そういう生活に
慣れているので寒いままの生活を送っています。その結果成し得ている
「欧米に比べると一軒当たりの消費エネルギーは少ない」
という現実に甘えて今の省エネ基準は作られています。
要するにたくさんの高齢者の命と引き換えに作られている基準といっても
いいと思います。
さらにたちが悪いことにこんな背景から出来た基準を大多数の実務者は
「お上が作った基準だからそれさえクリアすればいい」
という発想の元家をつくります。
改めて問います。
こんなことで良いのでしょうか?