昨日もまた質問で
「遮熱シートに効果はあるんでしょうか?」という「またか・・・。でたーー」というお約束の質問が出ました。
正直もうこの質問は聞き飽きました・・・
熱環境の大学教授の中にはこの質問が来たら半分ブチ切れる人もいるくらいです・・・
この質問をする人に質問してみたい。
「ネットで一度でも検索をかけたのか?」
「論文を読んだことがあるのか?」
と・・・・
要するに自分で調べる気が一切ないからこんな質問をすることになるんだと思います。
あと、物凄く悩ましいのが
・自分で計算、検証しない・・・
よく出来たカタログ、うまい営業マンに出会う度に翻弄される・・・こういう建築士が大半です。皆さん一応、義務教育で数学、理科等を、建築士の試験では計画、構造、施工、法規を学んできたはずですが、それらの勉強が「自分で考え、計算し、検証する」というプロセスに結びついていないということを痛切に感じます。これは日本の教育が完全に失敗していることを如実に表していると思います。決して若者だけの傾向ではなく60を過ぎた方にも共通する項目です。
例えば「結露を発生する」
という問題が発生した場合・・・
まずは原因を分解して考える。
結露が発生するのはその表面温度が露点温度に達するからです。
それを防ぐには
・表面温度をあげる
・周辺空気の水分量を下げる
のいずれかの方法しかありません。応用編としては表面結露が見えにくくなる珪藻土のようなものにするという方法もありますが、基本的には上記の2つです。
じゃあそれを実効するためにはどうすればよいかということを突き詰めていけば良いのですが、これが殆どの人ができない。
大半の人がやるのが「適当に友人に聞いてみた」
これが一番多いです。あとはネットで調べてみた。
やらないよりはやったほうがいいですが、ネット情報、本の情報は玉石混交です。
その場合、自分にとって居心地が良い文章というだけでそれを信用する・・・こういう方がほとんどです。
科学的にものを考え、判断する能力というのをもっと若い頃から身につけておかないとどうにもなりません。もしくはこれからの講演では講演の前に、こういったことを教える内容を30分くらい入れる必要があるかもしれないと思いました。
さらにいうと、こういう問題解決能力がないということは結露のような科学現象だけでなく、経営に関しても適切な対策が打てないと思います。たかが結露ですが、結露程度の単純問題を適切に分解して対策が打てない人に、複雑な事象と人間関係が絡み合う経営をうまくやっていくことができるとは到底思えません。
2017年8月3日