スイス1日目は滝川薫さんに案内していただきました!
スイス1日目は滝川薫さんに案内していただきました!
フェイスブックではまめに近況報告しておりましたが、ネット環境が
なかなか整わなかったのと時間がちゃんととれなかったこともありちょっと
間が開いたブログ更新となりました。
エールフランスのいい加減な荷物手配のおかげで初っ端からいろいろと
大変な目にあいました・・・。興味のある方はフェイスブックの方を御覧ください。
そんな大変な中事実上の1日目の朝は7時前から皆で朝食をとり、そのまま
ブレックファーストセミナーに突入しました。
「サスティナブルスイス」の著者でもありスイス在住歴15年の環境ジャーナリストの
滝川薫さんにプレゼンしていただきました。
その後、引き続き、私が滝川さんの説明と日本の現状を同じ単位に置き換えて
簡単に比較できるように説明しました。
約1時間のセミナーでしたが、皆さん、最初に基本知識をつけることができたので
良いスタートを切ることが出来たと思います。
で、9時には早速出発し、250人の住人と、250人の職場を兼用する
複合施設の建設現場を見せていただきました。ちなみにこの建物の省エネレベルは
スイス国内でも最高峰である「ミネルギーPエコ」認定です。
ガラス張りの店舗部分なども見せてもらいましたが、日本ならアルミのシングルガラスであるところが
木製のトリプルガラスが入っていたりします。壁の厚さも30cm以上はあり、現地は10℃を下回って
いましたが、太陽があたっている部屋の室温は非常に温かいものでした。これこそが暖房負荷が
小さい建物の特徴です。
この複合施設では仕様を高性能化するだけでなく、会議室を兼用したり、共用出来る部分は共用できる
ようなプランニングを行うことで面積自体もできるだけ小さくなるように設計されています。
まさに「木を見て森も見る」と言ったらいいような細部だけでなく全体の最適化も行われている
見事な建物でした。
それが終わると環境系の博物館のようなところに移動し昼食をいただきました。
地下には室内にも関わらず、電気自動車、セグウェィ等の乗り物に乗って遊ぶことができ
最上階では人工的な寒冷室のまわりに、低性能窓から高性能窓までが配置された実験室も
ありました。手で触ると表面温度の違いが歴然としており、非常にいい体験をすることが
できました。
これが終わると次はスイスで省エネ建築を10年以上前から実践し、スイスの省エネ建築賞を
6度も受賞しているという筋金入りの省エネ建築家「セッツ」さんの自宅、オフィス及び自宅近所の
賃貸住宅を見せていただきました。
スイスの建築家ではありますが、性能確保の方法、デザインとも一見しただけでドイツのパッシブハウスの
影響を強く受けていることがよくわかりました。パッシブハウスの設計手法が10年以上前から
スイスでも息づいていることを改めて実感しました。
贅沢にもセッツさんの事務所でセッツさん自らによるパワーポイントで説明していただきました。
このパワーポイントが本当にものすごいものでした!!大学との共同調査による温度、使用電気量
が賃貸部屋別に克明にデータどりがなされていました。
また、太陽光発電による収支もきちんと取られていましたが、ここまで理路整然と解説できる
実施設計者は日本であれば西方先生と森みわさんを含めても10人はいないと思います。
実際の数字がばんばん出てきたので、パワポを聞きながら、スマホにインストールしている
関数電卓で同時に検証しましたが、私の経験値ともバッチリ一致していました。本当に
素晴らしいプレゼンだったと思います。
プレゼン後は実際に住まれている賃貸住宅を見せていただきました。
賃貸住宅ではありますが、日本で言うなら芦屋の億ションのモデルルームの
雰囲気、広さと大差ないものすごい生活をされていました。
おそらく30代前半と思われる独身男性でしたが、我々が来ることを意識して
片付けたのかもしれませんが、置かれている家具、家電は超一流品ばかり
そして、生活感がほとんど一切無くパソコン周りの配線までもきちんと整理されている
という徹底ぶりでした。おそらくものすごく几帳面な住人だったのでしょう。
しかも眺めは田園風景が広がる超絶景・・・。なんだか自分が貧民になったかの
ような差を感じさせられました。
それが終わると、住宅展示場に移動。スイスでは住宅を新築できるということは
非常に裕福な方に限られるとのこと。広さや豪華さは日本の住宅展示場より
ちょっと上くらいという感じでしたが、価格は5000万から1億円くらいの
ものが多かったです。しかし、日本と異なるのは実際に新築される方は
このくらいの程度のものを建てられるということ・・・。すごいことです。
ちなみにスイスは世帯平均年収は700万くらいだそうですが、大卒の
初任給は年収600万くらいあるそうです。日本とは異なり単純労働者と
大卒の初任給の差が非常に大きいのが特徴のようです。
人件費が高いのでとにかく物価が高い・・・。日本でいうハンバーグランチ
くらいのものを食べるのでも4,5000円かかるという感じです。
ということで、非常に中身の濃い1日でした。