ちょっと前の新建ハウジングに載っていて非常に目を引いた
グラフがありました。データの元は「健康・省エネシンポジウム」ということですが
9種類の疾患において飲酒、運動、喫煙、断熱がどの程度の割合で影響しているのかを
発表していました。
ちなみに9種の疾患はせき、のどの痛み、肌のかゆみ、目のかゆみ、手足の冷え、気管支喘息
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎です。
結論をいうと、全ての項目について断熱の与える項目がほぼダントツで1位でした。
もっとも断熱が与える影響が少なかったのが「のどの痛み」でしたが
それでも断熱約30%、飲酒約25%、喫煙約25%、運動約20%でした。
これが次点のアレルギー性結膜炎になると断熱性が1位であるのはもちろんですが
その比率は40%にまであがり、1位の気管支喘息に関しては約85%、2位のアトピー性
皮膚炎に関しても約80%と、多数の家族が悩まされているアトピーと喘息の極めて
大きな要因が家の断熱性であるとなっています。
わたしもこの結果には経験上納得しています。今まで両方の持病を持った様々な施主様
のご自宅を設計しましたが、治ったという人や改善したという人が多かったからです。
断熱性を増すことは、省エネ性や、経済性、快適性が増すことはもちろんですが、
健康にも大きく寄与していることが分かれば、イニシャルコストが少々高いことも
納得しやすくなるように思います。
このデータではそこのところにも触れていて、単純に断熱、気密性を向上
したときの投資回収年数は28年となっていますが、(うちの場合はこんなに
かかりませんが)医療費の軽減や休業による給与損失も考慮すると
回収年数は一気に16年にまで縮まるとしています。
さらにいえば、その感得られる快適性は金額化されていませんが、それも入れると
さらに短いといえるでしょう。いずれにせよ自分がやっていることを強力に後押し
してくれる内容です。