貧しくてもよく笑うフィリピン人、金持ちでも笑わない日本人
貧乏でもよく笑うフィリピン人、金持ちでも笑わない日本人
先日フィリピンの写真は紹介しました。マニラから離れれば離れる
ほど本当に自然が綺麗なところでした。
今まで海外視察といえばもっぱらドイツを中心としたヨーロッパばかりでした。
ヨーロッパは今でも世界の中の文化の中心として君臨しています。
中でもドイツから北の国は本当に豊かです。
街並みも綺麗で、ゴミも少なく、教育や政治制度も極めて高いレベルにある。
何より、様々な幸福度調査で必ずトップ5に入ってきます。
要するにありとあらゆる意味で世界中で最も成熟した地域であり
真の意味で「先進国」なんだと思います。
今までそれなりに海外には行ってきましたが、途上国と呼ばれる国は
中国で10年ちょっと前に広州に行ったのと、昨年上海を訪れたくらいしか
経験がありませんでした。
その中国よりも途上国であるフィリピンは私が今まで訪れた国の中で最も
貧しい国だと思います。
田舎では人はゆったりと暮らしているので、貧しさの負の側面はパッと見では
わかりません。しかし、マニラに来ると全く違います。路上を歩いていると
子どもたちがお金を求めてきますし、タクシーに乗ろうとすると3,4歳の女の子が
ドアの前に立ちはだかってお金を渡すまで頑として立ち去ろうとしません・・・。
同じ年頃の娘を持つ身としては複雑な気分になるところです。
また、マニラではバーに座っているだけで、普通のバーであるにも関わらず
売春目的の女性達が取り囲んで話しかけてきます。それだけではなく、勝手に
肩を揉んでくる男が現れ、終わるとチップを要求してきます。
社会勉強のつもりで彼女たちと話をしてみると日本で言うなら
ほとんど全員が「かなり不幸な境遇」です。
20歳くらいになるとほぼ全員子どもがいます。しかし、子どもは
田舎にいる母親が育てており、年に数回しかあえないようです。中には
14とかで子どもを産んでいるという人もいました。
しかし、みな本当に明るいのです。彼女たちに限らず、田舎のおじさんにしても
町を歩く子どもにしても住むところはバラック、(スラム街)服もボロボロ
ゲームなんか当然持ってないし、お母さんとは離れ離れ・・・。それでも
皆たくましく、かつ笑顔があふれています。
フィリピンでは法律的に離婚はできないそうです。
また、カトリックなので中絶もできません。なので、どこの家族も子どもが
7人とかそれ以上が普通にいます。若い女性が、海外にメイドにいくか水商売を
して家族を支える構図が浮かんできます。
よく、日本の水商売にきているフィリピンの女性がいますが、彼女らは日本に来ることが
できるだけラッキーな存在なんだそうです。
フィリピンでは1%の富裕層と99%の貧しい人で構成されているといいます。
最近の幸福学の研究で明らかになってきているのですが、
「GDPの高低」よりも「国内での貧富の格差」のほうがはるかに幸福感に
大きな影響を与えるそうです。
フィリピンの現状を見ていると、「みんなこんなもんだから別にたいしたことない」
というのが一番しっくりくるように思いました。
しかしながら、「働く場所がある」「働くことができる」ということがいかに
貴重なことかがあの国に行って改めてよくわかりました。
世界中の殆どの人が「言われたことをこなす」という社員になって働く能力は
多かれ少なかれ持っていると思います。しかし、「自分で会社を作って仕事を生み出す」
人が少なければ、当然ながらその下で働く人は行くところがありません。
働くことにリアリティを持てない若者が増えているように思います。
彼らこそフィリピンのようなところに飛び込み、20歳前後の子たちが
明るく振舞ながら生活を必死に支えているところを見ておくべきだと思いました。
私も20歳くらいのときにこの状況を見ていたら、今よりももっともっと大きな衝撃を
受けていたと思います・・・・