「原発比率20~22%」案に最後まで異を唱えた気骨ある委員
「原発比率20~22%」案に最後まで異を唱えた気骨ある委員
「長期エネルギー受給見通し小委員会」の委員である
橘川武郎教授がその人です。
つい最近、私も記事を掲載した
月刊スマートハウスという雑誌に掲載されていて
http://smarthouse-web.jp/book/no-5%EF%BC%882015%E5%B9%B47%E6%9C%88%E5%8F%B7%EF%BC%896%E6%9C%8820%E6%97%A5%E7%99%BA%E5%88%8A/
この人の意見はもっともだ!!と思わされました。
どこかで聞いたことがあると思って調べてみたら
3年前に電力会社の原子力部門に務めている専門家の
友人から「原発について客観的な意見を分かりやすく勉強したいなら
これを読んだらいいよ」
と進められたのがこの教授の本でした。
http://www.amazon.co.jp/%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E6%94%B9%E9%9D%A9%E2%80%95%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E6%94%BF%E7%AD%96%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E7%9A%84%E5%A4%A7%E8%BB%A2%E6%8F%9B-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%A9%98%E5%B7%9D-%E6%AD%A6%E9%83%8E/dp/4062881454/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1435298010&sr=1-2&keywords=%E6%A9%98%E5%B7%9D%E6%AD%A6%E9%83%8E
原発推進側の友人が推奨する本なのに、日本の原発史の裏の黒い部分が
こってりと書かれていて、気が重たくなった本でした。しかし、彼が客観的というからには
原発反対派がでっちあげた内容ではないということは確実です。
そんな教授が今回書いていた内容をまとめて見たいと思います。
・政府の考える2030年の原発比率は20-22%であるが、教授は15%が妥当と考えている
なぜなら現行の40年廃炉基準できっちり運用していいくと、原発は全43基中25基が
廃炉となり、18基しか残らない。最大限譲歩して建設中の島根3号機を入れても20基
であり、これが70%の稼働率で運転してようやく15%にしかならないからだ。
・つまり、20-22%という比率は運転延長が前提となっている。
・しかもいろいろと試算すると可能性のあるものは全て延長するという考え方が
前提となっている。法律上は原則40年廃炉と定めているにもかかわらず、例外措置を
通常だと読み替え、本案は成り立っている。これは「可能な限り減らす」としてエネルギー
基本計画と比べて明らかに公約違反である。
いかにも国がやりそうなことだと改めて思いました。
実はこれと同じことが赤字国債についてもいえます。
昭和52年(今から38年前に)
国会にて「今回一回だけ、禁じ手の赤字国債を発行します!!」
と赤字国債を発行しました。
その結果
昭和53年も「もう一回だけ!!」
昭和54年も「もう1回だけ!!」
・
・
・
・
となり
平成27年現在では当たり前の年中行事となり
世界最悪の財政状況の国になってしまいました。
節操がない・・・とはまさにこういうことを言うのでしょうが
銀行には自己資本比率がどうの・・・
企業には環境規制・・・・
とか言いながら、自分自信には極めて甘い・・・
人間同士のつきあいでも、企業同士のつきあいでも
人に厳しくしようと思ったら自分にはそれ以上に厳しくないと人は
動いてくれません。
それ以前に、人にだけ厳しくして自分に甘い人ほどかっこ悪いものはありません。
こんなかっこ悪い国というか制度をやっている当の本人たちは自分たちの腐臭に
気づいているのかいないのか・・・
まあ、批判はこれくらいにしておきますが、
この記事以外にも
・2030年の太陽光発電比率は現時点の認定を受けている太陽光発電施設が全て施工されたら
すでにオーバーしているという矛盾・・・
等々なかなか他の雑誌では見られない濃い記事が満載されています。
マイナーな雑誌ではありますが、今月号は買いではないかと思います。
ぜひご一読頂ければと思います。