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アーキトレンドZの最新版を監修した分が発表されています。

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アーキトレンドZの最新版を監修した分が発表されています。
以前からさわりだけお伝えしてきた、CADソフトの監修ですが
今日プレスリリースされたので今日から正々堂々発表できることになりました。
私が監修いていたのは住宅業界の人なら知らない人はいないアーキトレンドZの最新版
です。下記のリンクを見ていただければ今回のバージョンアップの内容が詳しく分かります。
ちなみにこのソフト4万本ほど売れているそうです。非常に高価なソフトであるにも関わらず
この本数は素直に凄いと思います。

http://www1.fukuicompu.co.jp/sys_img/tp_of_detail/_DL_452.pdf
私が監修したのは今回の新バージョンの中の「パッシブデザインチェック」という機能です。
オプションではなく、標準機能としてついているので、非常にたくさんの方に触れていただくことが
出来る機能です。
このパッシブデザインチェックは燃費を計算するものではありません。プランニングのアドバイス
ツールです。今までたくさんお工務店さんが作ったプランを添削させていただいた経験があります。
しかし、ほとんどのプランが夏の太陽を遮って、冬の太陽を取り入れるいわゆる
「パッシブデザイン」がまったくといっていいほどできていないことが多いのが実情でした。
なぜこうなるかというと、学校でも教わらなければ上司にも教わることがない。そして手法が
書かれた本を読んでも具体的にどうしていいか分からないということが大きな原因です。
本来はセミナーや勉強会をもっとたくさん開いてこういった知識の拡散をもっと大々的に
やるべきなんでしょうが、限界があります。そこで、アーキトレンドに図面を入力した後、
「パッシブデザインチェック」機能を使うだけで私が実際に添削するかのごとく
「ここはよく出来てますね」「ここは直したほうがいですよ」という感じで
アドバイスをしてもらえるのが概要です。
言葉にすると非常に簡単ですが、これをソフト化するのはかなり大変でした。
実際に私が紙の図面で見て良し悪しを判断するのは簡単です。それをプログラム化し
CADソフトがデジタルに判断できるようにしなければならなかったからです。
例えば「シンプルな間取り」という項目がありますが、どのようなプランであれば
シンプルであると認めるのか?といったことひとつとってもどれだけ難しいか理解
していただけるかと思います。
また、この機能を作っていく上で国が出している基準のおかしいところに気づく
こともできました。例えば標準的な35坪程度の2階建住宅で1間幅の掃出窓が
6箇所もつくような設計がなされていても国の基準では「南面の窓が多い」とは
みなしてもらえなかったりします。熱的に考えればそうなのかもしれませんが、
敷地の広さ、耐力壁の必要量を考えると、実施設計をやっている人間であれば
ありえない基準であることは明白です。
そういったところも、実施設計をやっている人間の立場から添削するような基準で
作りました。逆に最も低コストで最大の効果が出せる窓に関しては、国の基準は
明らかに甘すぎます。こういったところは、国の基準よりもかなり高めでないと
良い結果が出ないようにしています。
要するに、国の基準や補助金どうこうということではなく、実際に
夏涼しく、冬暖かいかどうかを判断するツールになっているわけです。
この機能を手にする人が何人いるのかわかりません。また、手にしても実際に
使ってくれるかどうか?そして最終的にプランを作る際に実際にアドバイスに基づいて
改善してもらえるかどうか?少しでもたくさんの方が実際に改善するところまで使って
いただき、その結果、健康で快適な省エネ住宅を享受する方が一人でも増えることを
心から願っております。
またそうすることで、私が引き受けた住宅以外でも省エネに貢献することができます。
最後になりますが、説明を読んで分かっていただけると思いますが、CPUの建もの燃費
ナビとは省エネ住宅を実現するという意味では同じ分野ではありますが、機能はまったくもって
異なります。燃費ナビは実際に詳細に燃費を計算するソフトです。より詳細な
計算結果を求める方、またその結果を見て自分でプランをどう修正するかを
判断できる方にはこちらのほうがオススメです。
そういう住み分けがなされていますが、「自社の仕様を変えるまでは一社員の自分には
不可能だ」と考えている方でもプランニングに関する裁量は与えられている設計者も
世の中にはたくさんいらっしゃいます。またそういう方は非常にたくさんのプランをこなしている
場合が多いという事実もあります。そういう方にこそ今回の機能を使っていただければと
思っています。

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