日本海側の住宅の南窓は小さいほうが良いのか?
今日はパッシブハウスジャパン関連の有志5名が新大阪で
打合せをしました。私と森みわさんも含みます。
月末の山形省エネ建築診断士関連の打合せが中心でした。
次の省エネ建築診断士からは「建もの燃費ナビ」の実践的な
使い方を展開していくのでその内容が中心でした。
その中で様々な条件を変えて、いろいろと結果がどうなるのかを
シミュレーションしてみました。
まずは今の日本では定番サッシであるYKKAPのAPW330です
カタログではU値(熱貫流率)が2.33以下となっていますが、
国のモデルプランに使われている窓は1.7から2.1くらいまでの
ばらつきで収まっており、平均値は1.9という感じでした。
そこでしりたくなったのが南面の窓の大きさについてです。
東京だろうが福島だろうが太平洋側はたいていの場合南面の窓が
大きいほうが暖房期間内での暖房負荷は小さくなることは常識です。
ただ、昔から思っていたのが「冬の間ほとんど曇っている日本海側
では一概にこの法則は通用しないだろう・・・。じゃあ、どの程度
以下にU値が下がれば日本海側でも堂々と「南の窓も大きくしたほうが
いいですよ!」といえるのか」という疑問でした。
前々からシミュレーションしてみようと思いながら、する機会
なく今まできました。
一口に日本海側といっても秋田のようにきわめて寒いところもあれば
新潟や鳥取くらいのところもあります。また、同じ熱貫流率でも
ガラスの日射取得率によって結果はことなります。
今回はまずは新潟でAPW330の断熱LOW-E仕様で検証してみました。
平均U値は1.9くらいです。そうするとこのあたりが、新潟で
南面を大きくしたとしたら±0となるボーダーラインという結果でした。
これより悪いサッシの場合は南面といえども小さくしたほうが良さそうです。
また、新潟の場合、大きくしようが小さくしようがあまり差がない
という結果になると思われます。
次にこれを秋田でやってみるとAPW330くらいの性能では南の窓を
大きくすることはロスの方がかなり大きくなってしまう結果が出ました。
しかしながら、どちらの地においても曇っていたとしても昼間は
ロスよりもゲインの方が大きいということはわかりました。問題は
単純に逃げるだけの夜です。しかし、この夜においてもハニカム構造
ブラインドやシャッター等をうまく組み合わせれば新潟においては
「南を大きくしたほうがいいです」ということになります。
秋田においては詳細に検討してないですがもしかしたら±0くらいまで
もっていけるかもしれません。このような視点から窓の性能を追うことも
大きな意味があると思います