1. HOME
  2. ブログ
  3. 湿気と珪藻土と全熱交換器の関係

湿気と珪藻土と全熱交換器の関係

Facebook にシェア
Pocket

湿気と珪藻土と全熱交換器の関係
今日は朝から大阪で打合せ、夕方から事務所で契約。
明日は千里→大阪市内→西宮と怒濤のスケジュールが続きます。
2日連続で夏の暑さに対する考察を書きましたが、そのまとめとして
「湿気と珪藻土と全熱交換器の関係」
をまとめてみたいと思います。
珪藻土は種類によっても差はあるようですが、デシカント空調
のように(乾燥剤が飽和したら乾かして再利用するシステム)
エアコンや除湿機で珪藻土が適宜除湿されているとしたら
おおよそ、相対湿度で10%分くらいの除湿効果があると言われています。
温度にもよりますが、27℃であれば絶対湿度差は1.2g/kg程度
30℃を超えると3g/kg程度に該当します。
昨日のグラフはエアコンで冷房し続けた場合の絶対湿度の変化を表した
ものですが、単純計算した場合、潜熱を交換するかしないかで最大
5g近くの水分量が違うという結果がでていました。
しかし、実際にSE200Rという全熱交換器の交換膜だけをアルミの
顕熱交換器に交換して実験したことがあるのですが、そのときの差は
およそ、絶対湿度で2g相当の効果しか認められませんでした。
おそらくですが、漏気による水分流入を無視して計算しているためと考えています。
しかしながら2gというのは珪藻土の平均値とほぼ同等で、かなり
優秀な結果であると思います。ということは全熱交換器も相対湿度
10%相当の削減効果はあるともいえます。
ちなみに珪藻土自体は吸湿すると物理的作用からほんの少しですが温度があがります。
これはエアコンにとっては非常にいいことです。昨日説明
したようにエアコンは
温度を下げる方が、湿度を下げるよりも得意だからです。
エアコンを夏に上手に使う秘訣は除湿運転(中でも再熱除湿)をできる限り使わずに
冷房運転に徹することです。世間のほとんどの方は除湿(ドライ)運転の方が省エネだと
勘違いしていますが、中高級機では一般的な再熱除湿運転は冷房よりエネルギーを食います。
なぜなら、除湿機能が弱いエアコンで除湿だけをしようとすると、まずは冷房運転で
温度も必要以上に下げてしっかりと除湿後、再度エネルギーを投入して温めなおす
という工程を含んでいるからです。
こんなもったいない話はないわけですが、珪藻土自体が水分量を減らしたくれた上、
温度も少しだけ上昇させてくれる・・・。まさにこれは相互補完関係にあるといえると
思います。(そもそも夏の昼間のエアコンと太陽光発電も同様の相互補完関係にあるといえます)
最近ダイキンが発売して話題になったデシカント空調「デシカ」もそうですし、
大阪ガスのエアキュアというデシカント空調システムも乾燥材を乾かすのに
かたや電気、かたやガスを使っています。私はこの熱に有り余っている太陽熱温水
を使えないかと思っているのですが、やはり先人はいるもので、すでにそういう論文も
存在します。
しかし、発想を変えてみると、冷房運転を使いながらエネルギーを使わずに温度を
上げることで、除湿と省エネ性能を保つものすごく簡単な方法も実はあります。
ものすごくねじれた発想ですが、可動型の日射遮蔽器具(ブラインド等)で日射
遮蔽をしている場合、弱冷房をしながら、暑くならない程度に微妙に日射を入れてやる
という方法です。試したことはないですが、理論的には可能な方法です。
最後になりますが、三種換気にビニールクロスでは高断熱住宅において小さいエアコンを弱運転
したくらいでは温度は快適になっても、湿度は快適域まで持っていくことはなかなか難しい。
もしくは、温度を下げすぎれば快適な湿度域までもっていけますが、エネルギーがもったいない。
全熱交換器、もしくは珪藻土のどちらも採用するのが最も理想的ですが、(4gダウン相当)
どちらかだけの採用でも2g程度は下がる。4g下がれば、普通にエアコンをかけるだけで
温湿度とも本当に快適な状態になるので、必要以上に温度を下げる必要もなければ、冷房病とも
無縁・・・。そんなふうに考えています。

関連記事

著書紹介

過去の記事