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アルゴリズミックデザイン

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アルゴリズミックデザイン
昨日は昼からソニー本社ビルを設計された日建設計の山梨さん、
国立競技場で話題のザハ・ハディドの構造設計を担当している金田さんと
シミュレーションを使った設計手法に関してパネルディスカッション&講演をさせていただきました。
私とはまさに異次元のお二人でしたが、その講演内容もまさに異次元でした。
私は温熱環境シミュレーション以外は全然詳しくありません。
ですので、昨日は知らない言葉がたくさん出てきました。
なかでも印象に残ったのがアルゴリズミックデザインというものです。
アルゴリズムとは「何か物事を行うときのやり方」というのがもっとも分かりやすい表現で
シミュレーションにおいてはそのやり方を示すプログラミングと言っていいと思います。
例えば、植栽の生育具合を検討する際に
「横の木の影が大きい場所の木は成長が遅い」
といったような、複数の条件をあらかじめプログラミングしておきます。
その後、これらの複数の条件にてシミュレーションをかけるとなんと
極めて自然の植栽に近いような雑木林のような植栽計画がパソコンの中に出来上がるのです。
山梨さんの設計では植栽だけではなく、ビルの外装につけるルーバーも日照条件から逆算した
ルーバー形状及び位置が導き出されていました。
こういう設計手法にはほんとに心が踊ります!!これぞまさにエンジニアリングデザイン!!
という感じでした。
また、デジタルクラフトマンシップと言う言葉も印象的でした。
私が最も好きな木造建築である新木場の木造会館の設計手法でそれが取り入れられました。
木材を使う上で工事費を分析してみると、材料費が3割、加工賃が7割だったそうです。
そこでその7割をいかに減らすかということで、機械による接合部処理(いわゆるプレカット)
を導入したのですが(通常よりかなり複雑なプレカット)従来のプレカットでは刃と木材の
間のおがくずによって精度が悪くなっていたらしいのです。しかしながら、削りながらおがくずを
飛ばすような方式を編み出したことによって、全て機械化することに成功したそうです。
こういうのをデジタルクラフトマンシップというそうですが、これにもしびれました。
建築設計というのは「アート」と同様に見られがちですが、決して違うと思っています。
強いて言うならエンジニアリングデザイン的なものだと私は思っています。
そういう観点からすると、今の日本で、いや世界で山梨さんほど高いレベルで
建築設計ができる人はなかなかいらっしゃらないと思っています。
最後にもうひとつだけ、強く印象に残った言葉を紹介します。
「単一のシミュレーションをする時代から複数のシミュレーションを串刺しにして総合化
する時代に入った」とおっしゃったのです。これは外観、内観はもちろんのこと構造、照明、温熱環境
もそれぞれシミュレーションで最適化を試みながら、全体としても最適化を試みようというようなものです。
コンピューターの発展によって一品生産で、完成後にしか評価できなかった項目がパソコンの
中でバーチャルに何度でもスピーディに検討できるようになりました。
金田さんもおっしゃってましたが「ゲームのように使えることが重要」
とのことでした。これも全くそのとおりで、我らが夏見さんはまさにそれではまった
人です。パネルディスカッションの時にこの話をしたら、皆さんすごく受けておられました。
ということで、シミュレーションは建築設計手法を根底から変える時代が始まっている
ことを強く感じた1日でした。
で、今日は朝から銀座のテクノフォルムの本社にて東京新聞さんの取材を受けました。
いい記事になりそうです。
昼からは新宿に移動して、YKKAPさんの講演をしてから帰ってきました。
明日も朝から大阪にて引渡しです。今週も最後まで過密スケジュールが続きます。

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