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東京大学のセイズモデルハウス実測結果が届きました。

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東京大学の実測結果が届きました。
今日は朝から昼までの間に今月行う5回の講演用の資料でまとめきれていないところをすべて
まとめて送らなければならないところへ送りました。これが溜まっていたのがちょっとした
プレッシャーになっていたのですが、全部送ったのでかなりホッとしました。
そんな超集中した午前中だったわけですが、昼前後にメールを開くと二つも大きなプレゼントが
届いていました。
ひとつは、某建築専門誌からの連載依頼でした。おそらく業界の中でも最も購読者が多いであろう
雑誌だけに非常に嬉しいお話でした。記者の方とここ数ヶ月の間いろいろと取材等でお会いしたり
していたのでこれも人の縁のありがたさです。
もうひとつは東京大学の前研究室で昨年の12月からものすごい機材と手間をかけて実測してもらって
いたセイズモデルハウスの実測結果が届いたことです。
中間報告は何度も頂いていましたが、実際の御施主様の空調パターンと違う場合の分しかなかったので
思うような結果が出ていなかったのですが、今日届いたデータは実生活と同じパターンだったので
いつも実測しているのとほぼ同じ結果が出ていました。
準防火地域でいつも使っているサッシよりレベルが低い。その上ハニカム構造ブラインドがついていない。
さらには敷地が変形で建物形状がボコボコしており面積の割に表面積が広いという悪条件下での測定
でした。
結果は朝7時から夕方5時までは無暖房、夕方5時から朝7時までは14畳用のエアコンを
1台だけ稼働という条件でした。
床表面がほぼ21℃以上、最も暖かい部屋と夫も寒い箇所でもだいたい3℃以内の差におさまっていました。
消費電力も24時間体制で計測していましたが、平均的に定格消費電力の75%を使っている
状態でした。これはメーカーの帖数表示でいうならば、10.5帖分のエネルギーしか使っていない
ことになります。しかも常時利用ではなく、昼間は一切使っていない状態での話です。
ちなみにこの家を帖数表示すると70帖近くあります。
なお、この結果で良かったのはこの75%という値でした。エアコンが最も効率良く動くのは
だいた50~70%あたりということが分かっています。なかなかその状態で動かし続けるのは
難しいのですが、偶然にもその状態でほとんど動いていることが分かったのは良かったです。
逆に全然想定と違う結果も出ていました。床下の熱の動きが思っていたのとほぼまったく違う結果が
出ていました。かなり熱ロスが多かったり、吸熱と放熱のバランスが悪かったりもしました。それでも
結果だけは出ているというそんな感じでした。
私も一設計事務所にしてはかなりの測定器を持っているつもりですが、やはり東京大学の実測の
足元にも及びません。今回計測したのは
温度36ポイント、エアコン消費電力、床下2箇所床上2箇所の熱流計、200万ほどする超広角サーモグラフィーによる24時間連続2時間毎の撮影・・・、とまことに贅沢な実測でした。
この結果を見たことによって、更なる改善点がいろいろと見えて来ました。またグレードアップした
住宅を提供して行きたいと思います。

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