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放射冷却がきちんとわかればいろんなことが腑に落ちる(後編)

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昨日の記事を読んだPHJの江藤さんが面白いコメントをくれました。
「夜空に放射温度計を向けたらトンデモない温度が出ますよ!」
と・・・。
やったことがなく、非常に興味があったのでやってみると
雲があるところでマイナス15℃前後、雲があまりないところで
はなんとマイナス30℃でした!!
今日は曇りがちでしたが、完全に雲がない場合マイナス50℃くらいの
こともあるようです。非常に興味深い結果でした。
今日の後編では放射冷却から考えるドイツの日本の比較をやってみたいと
思います。これを考えるきっかけになったのは知人の今泉さんのブログでした。
まずドイツの各地の気温がわかりやすくまとめられた下記のページを
見て下さい。
http://www.ryoko.info/Temperature/germany/germany.htm
次にその中でも1月の気温がドイツの中間的な値を示すベルリンのグラフを
見て下さい。このグラフには東京のデータも入っています。
http://www.ryoko.info/Temperature/germany/berlin.htm
ベルリンと東京の1月の気温を比較すると
最高温度はそれぞれ2℃と7℃
最低温度はそれぞれー2℃と1℃
中間温度はそれぞれ0℃と4℃(平均温度ではありません。最高と最低の中間)
これで見ると「東京より寒いな」という印象を持つのは当たり前です。
しかし、同時に読み取れるのは最高と最低の温度差は
東京が6℃に対してドイツは4℃しかないということです。
この理由が先日紹介した放射冷却の有無による差が大きいと
いえます。冬のヨーロッパに行ったことがある人はよく知っていると
思いますが、大半の日が厚い雲に覆われています。晴れ間はほとんどありません。
ということは日中気温がそこまで上がらない反面、夜や明け方において
極端に冷え込むこともないということが言えます。
では1月の中間温度が0℃というのは日本でいうならどういう場所なのかを
調べてみました。
完璧に0℃というわけではないのですが、長野市であれば
最高3.5℃、最低ー4.1℃中間ー0.3℃という値になっています。
長野は日本でいうところのⅢ地域の代表地点です。
日本で最も寒いⅠ地域の札幌とかになると中間温度はー3.8℃にもなり
ドイツの平均的な地域よりもかなり寒いことが分かります。
ドイツの高い断熱性を見ると「ドイツは高緯度で日本よりもずっと寒冷地だから」
という方が結構いらっしゃいますが、この数字が意味するところは同程度の
気温の地域においても圧倒的に断熱性能が異なっているということです。
この事実は重く受け止めなければなりません。

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