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主要各社性能比較表

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2019年3月11日現在の各社の断熱性と気密性と耐震等級(実質的な熱損失順)

主要各社性能比較表

*実質的な熱損失はQ値+C値/10で計算しています。
*黄色の会社が断熱性、気密性の両面から理想的な室内環境を実現できる会社だと考えています。
*UA値はインターネットから拾えるところはインターネットから、記載がない会社はZEHを満たしていれば0.6と判断しています。
*三井ホームをセキスイハイムより下にしているのは、C値が1を超えている可能性が高いからです。
*窓の結露は人間に理想的な20℃50%を維持した際、下枠が露点9.3℃を超えられるかどうかで分類しています。

表の読み方の解説

最初に注目すべきは「実質的な熱損失」と「耐震等級」

熱損失(断熱と気密をトータルで考えた場合)の善し悪しは 「実質的な熱損失」の数字が小さいほど良いということになります。 家中冬暖かく、夏涼しくしてもサラリーマンが負担を感じない冷暖房費で収まるようにするためには、 概算Q値が1.6以下かつC値は1以下 というのは必須だと考えます。そこから計算すると「実質的な熱損失」は1.7以下は最低限目指したいところです。

しかし、これだけでは本当の暖かさは決まりません。本当の暖かさは「暖房負荷」という指標で表すことができます。しかし、これはその地域の気象データ、隣家の状況、その家の間取り等すべて入力して、シミュレーションしなければ出てきません。このとき重要になってくるのが「冬の日射取得」です。おおまかにいうと

①「暖房負荷」=②「実質的な熱損失」-③「冬の日射取得」-④「内部発熱

で計算します。④の内部発熱とは人間の数と家電製品の稼働状況で決まるので、家の性能とは無関係です。

①の暖房負荷は小さいほど暖かいことになります。

ほとんどの住宅会社がQ値、UA値、C値といった熱損失(②)にばかり目を向けていますが、実際には冬の日射取得(③)をいかにかせげるかが非常に大きな差となって表れてきます。

具体的には冬の日射取得は南窓をどれだけ多く、隣家と離して設計できるかで決まります。

当社の住宅は実質的な熱損失が0.87~1.56の間までばらつきがあります。最低でも1.56レベルはクリアするようにしますが、予算とご希望に応じてその間にすべての方が収まります。

一条工務店に実質的な熱損失で負ける物件が大半ですが、その分は夏の日射遮蔽と冬の日射取得、さらに表にはありませんが、適切な冷暖房計画でカバーすることで同等の暖かさ、涼しさ、ランニングコストを実現することができます。逆を言うと夏の日射遮蔽と冬の日射取得が出来ていない住宅会社は一条工務店に完全に性能、コスパの面で負けてしまうことになります。

あと、耐震等級3は必須事項、不満ランキング3位の窓の結露が嫌であれば一番右の列が〇になっている会社 (木製サッシか樹脂サッシ)を選ぶ必要があります。

以下、各列の説明です

換気方式 は大きく二つあり、一種は熱交換換気システム有、三種は無しということになります。熱交換とは冬であれば冷たい空気を部屋の暖かい空気の熱で温めてから入れる方式です。三種は冷気をそのまま入れて、暖気をそのまま排気する方式です。

断熱性能 はふたつの表示方式があります。古い表示方式がQ値と呼ばれるもので、家全体の熱損失すべてを延べ床面積で割ったものです。新しい表示方式がUA値と呼ばれるもので、換気による熱損失以外の熱損失を外皮の表面積で割ったものです。UA値の場合最悪でも0.5可能なら0.46は切っておきたいところです。

気密性能 を表す指標がC値です。家の壁や屋根、窓等にどれだけ隙間が空いているのかを表す指標です。これが悪いと冷暖房の効きが悪いのですが、それ以前に1を上回ると換気がきちんと行われません。 例えるならストローの途中に穴が開くときちんと吸えなくなるのと同じです。1は最低ラインです。
技術レベルが高い住宅会社になってくるとコンスタントに0.5を切るようになってきます。 実質的な熱損失は公的な指標ではありません。
C値が大きくなると隙間風による熱損失が大きくなります。これによる熱損失は外部の風速、内外温度差によっても大きく異なりますが、あらゆる物件、状況の平均をとるとだいたいC値/10程度をQ値に足すと実質的な熱損失に近くなることが多くなります。そこから計算しています。

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