「家が寒けりゃ厚着すりゃいいじゃん」に対して思うこと
だんだん温度が下がってきました。
冬になると「温かい家が欲しい」夏になると「涼しい家が欲しい」というのは極一般的な欲求です。
そこでそういう家を提供しているのですが、断熱嫌いの工務店さん達の最後の決め台詞のひとつに「家が寒けりゃ厚着すりゃいいじゃん」 というものがあります。
これに対する最も適切な反論は、
「冷たい空気を吸い続けると肺そのものの抵抗力が落ちる」
「冷たい空気を吸い続けると心室細動が起こりやすく突然死する可能性が高くなる」
という2つが鉄板です。
しかし、今日風呂あがりにふと思いついたことがあります。
今、私はパジャマの上に1枚上着を来て靴下を1枚だけ履いている状態です。 これでまったく寒くありません。無暖房ですが室温は22.5℃あります。
寒い家に住んでいたころを思い出すと、辛さを感じるのは
・夜の居間での団欒時→ソファーは寒いので結局横の和室のコタツに行くか
ソファーの上で毛布等をかぶる
・子供部屋で勉強しているとき→足温器かファンヒーターか自分だけに
向けた電気ストーブがなければ寒くて勉強にならない
・風呂あがりも早く寝るか、コタツに入るか、かなり厚着をするか
しないと湯冷めしてしまう。
・朝起きるのが辛い。またダイニングテーブルで食事を摂るのも寒い
・最後に玄関を開けて出かける瞬間も覚悟がいる
ざっと考えてこんなところです。
「厚着すりゃいいじゃん」と簡単にいいますが 風呂あがり、もしくは起床後かつ朝食前にズボンと上着を何重に重ねるのか は知りませんが、一番冷える足元を靴下2枚以上履かなければならないのって おかしくないでしょうか?
さらに家の中で手袋をする人は普通はいませんから、足の次に冷えやすい手に
関してはずっと冷えっぱなしです。これは顔に関しても同様です。
日常生活というのは誰しもバタバタしているもので、そんな中で毎朝、毎晩
これだけの衣服を着たり脱いだりしなければならないのってどうなんでしょう?
更にいうと、4人家族であればその服を毎日とは言わずとも一定期間ごとに
洗濯しなければならないわけです。
一般的にいうと「断熱嫌いの工務店」というのは男性の実務者に多い傾向に
あります。男性は女性よりも筋肉の量が多く、体温も高い方が多いので 平均的には女性よりも「暑がり」もしくは「寒さに強い」方が多いことに起因すると
考えています。しかし、自分の温感がすべての人の温感だと思い込み「寒がり」
の人に「寒い家」を提供することは非常に罪深いことです。
そう考えると「パジャマに上着を羽織って、靴下一枚」くらいで快適にいられる
住宅というのはひとつの目安かもしれません。